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埼玉県内の蝶の観察と写真、資料を掲載しています。

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<埼玉県の蝶>

旧大滝村の蝶(秩父市)

 2006年以降、旧大滝村(埼玉県秩父市)で撮った写真です。(現在37種)

☆アゲハチョウ科
ウスバシロチョウ ミヤマカラスアゲハ
☆シロチョウ科
キタキチョウ スジボソヤマキチョウ モンキチョウ モンシロチョウ
スジグロシロチョウ ヤマトスジグロシロチョウ    
☆シジミチョウ科
ベニシジミ ヤマトシジミ スギタニルリシジミ ツバメシジミ
☆タテハチョウ科
テングチョウ アサギマダラ ジャノメチョウ ヒメキマダラヒカゲ
ヒカゲチョウ クロヒカゲ ヤマキマダラヒカゲ コジャノメ
オオウラギンスジヒョウモン ミドリヒョウモン ツマグロヒョウモン ギンボシヒョウモン
イチモンジチョウ ミスジチョウ コミスジ ホシミスジ
サカハチチョウ シータテハ エルタテハ キベリタテハ
ルリタテハ      
☆セセリチョウ科
キバネセセリ ギンイチモンジセセリ イチモンジセセリ チャバネセセリ

 旧大滝村は、かつて埼玉県秩父郡に属し、埼玉県の最西端に位置していた村で、2005年4月1日に、秩父市、吉田町、荒川村と新設合併し、新たに秩父市となりました。合併前の面積は約330kuで、埼玉県の自治体の中で最も広く、旧村域全体が秩父多摩甲斐国立公園に指定されていて、とても自然に富み、風光明媚なところです。秩父山地の主脈を村域としていて、97%は山林で、荒川の源流でもありした。村内には甲武信ヶ岳(標高2,475m)をはじめ、三宝山、雲取山、和名倉山など、標高2,000m級の山々が12峰連なり、旧村内の標高差は2,000m以上あって、山地から亜高山帯までの変化にとんだ地形と植物相が見られます。従って、蝶の分布も多様で、埼玉県内でもここでしか見られないものもいくつかあります。

旧大滝村の地図

ウスバシロチョウ(アゲハチョウ科)

ウスバシロチョウ(薄羽白蝶)
学 名 Parnassius glacialis
科 名 アゲハチョウ科 
時 期 年1回、4月〜5月
寒冷地では7月〜8月
分 布 北海道、本州、四国
大きさ (前翅長)26-38mm
(開張)50-65mm
生育地 林縁、草地、畑地など
<特徴>
 年1回の発生で、早春にだけ成虫が出現する「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」蝶の一つで、林縁、草地、畑地など見られますが、寒冷地では夏に見られることがあるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側は、白地に黒い筋が目立ちます。翅の表側も同様に白地に黒い筋が目立ちますが、体毛がはっきり見えるのが特徴です。頭部近くに黄褐色の毛があることで、ヒメウスバシロチョウと識別されます。ふわふわとあまり羽ばたかずにゆっくりと飛んでいます。幼虫は、ケシ科植物(ムラサキケマン、ジロボウエンコグサ、ヤマエンゴサクなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽が薄く陽光に透けるように見える白い蝶という意味で命名されました。

<備考>
 オスと比べ、メスは体の毛が少なく、交尾後は受胎嚢をつけます。別名:ウスバアゲハ
ウスバシロチョウ(アゲハチョウ科) 2013年5月18日午前、中津川(秩父市)で撮影

 2013年5月18日午前、中津川(秩父市)で撮影しましたが、ふわふわとゆったり飛んでいて、時々止まったところを接写しました。


ミヤマカラスアゲハ(アゲハチョウ科)

ミヤマカラスアゲハ
(深山烏揚羽)
学 名 Papilio maackii
科 名 アゲハチョウ科 
時 期 年2回、3月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)38-75mm
(開張)90-110mm
生育地 山地の樹林帯など
<特徴>
 年2回の発生で、成虫は春から秋まで、山地の樹林帯などで見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側は、黒っぽく、後翅にオレンジ色の三日月模様が並んでいます。翅の表側は、青っぽい輝きが感じられ、後翅にオレンジ色または青色の三日月模様が並び、尾状突起がありますが、カラスアゲハより一段とメタリックな感じがして、とてもきれいです。林の中を敏速に飛びまわっているのを見かけますが、陽光に輝いて見えます。幼虫は、ミカン科植物(カラスザンショウ、キハダ、ハマセンダンなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、山地で多く見られるので深山(ミヤマ)、黒っぽいので烏(カラス)に例えて名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がかなり大きいのです。
ミヤマカラスアゲハ(アゲハチョウ科) 2006年8月5日午前、中津川林道(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、中津川林道(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、林道上で吸水していました。

ミヤマカラスアゲハ(アゲハチョウ科) 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、ユリの花で吸蜜していました。


キタキチョウ(シロチョウ科) 

キタキチョウ(北黄蝶)
学 名 Eurema mandarina
科 名 シロチョウ科 
時 期 年4〜5回、5月〜10月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)18-27mm
(開張)35-45mm
生育地 林縁、河原など
<特徴>
 多化性で、成虫は春から秋まで、低山地から平地の林縁や河原などで普通に見られる黄色っぽいチョウです。翅の裏側は、黄色地に小さな点のような模様が見られます。翅の表側は、黄色で黒い縁が見られますが、前翅の方が黒い部分が多く見られます。幼虫は、マメ科植物(メドハギ、ヤマハギマルバハギ、ネムノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 黄色いチョウという意味で命名されましたが、その後沖縄県産のキチョウと区別するために、その北(キタ)に生息しているのでこの名前になりました。

<備考>
 夏型と秋型があり、成虫で越冬します。
キタキチョウの夏型♂♀(シロチョウ科) 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)で撮影しましたが、オスとメスが交尾していました。

キタキチョウの夏型♂(シロチョウ科) 2006年9月24日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2006年9月24日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたが、飛翔いているところはうまく撮れませんでした。

キタキチョウの夏型(シロチョウ科) 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

キタキチョウの夏型(シロチョウ科) 2014年8月22日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2014年8月22日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


スジボソヤマキチョウ(シロチョウ科) 

スジボソヤマキチョウ
(筋細山黄蝶)
学 名 Gonepteryx aspasia
科 名 シロチョウ科 
時 期 年1回、6月〜11月
分 布 本州、四国
大きさ (前翅長)28-40mm
(開張)60mm前後
生育地 高原、林縁、渓流沿いなど
<特徴>
 年1回の発生で、、6〜7月に成虫が出現し、寿命が長く成虫で越冬します。本州と四国の山間部の高原、林縁、渓流沿いなどで、見られるシロチョウの仲間です。翅の裏側は、黄色地に褐色の紋があり、ヤマキチョウより後翅上部の筋が細く見えます。翅の表側は、黄色地に橙色の紋があり、ヤマキチョウより前翅先端が尖っているのが特徴です。幼虫は、クロウメモドキ科植物(クロウメモドキ、クロツバラなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽の裏側の筋が細く見える(スジボソ)、山(ヤマ)に多くいる黄(キ)色いチョウという意味で命名されています。

<備考>
 メスはオスより色合いが淡く、クリーム色になります。埼玉県レッドデータブック準絶滅危惧

スジボソヤマキチョウ♂(シロチョウ科) 2006年8月5日午前、中津川林道(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、中津川林道(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、林道上で吸水していました。

スジボソヤマキチョウ♂と♀(シロチョウ科) 2006年8月5日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたが、オスとメスがランデブウしていました。

スジボソヤマキチョウ♂(シロチョウ科) 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)の標高約700m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


モンキチョウ(シロチョウ科)

モンキチョウ(紋黄蝶)
学 名 Eurema hecabe
科 名 シロチョウ科 
時 期 年4〜5回、3月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)22-33mm
(開張)40-50mm
生育地 公園、畑地、河原など
<特徴>
 多化性で、成虫は早春から晩秋まで、畑地、草原、河原、公園などで、一般的に見られる黄色っぽいチョウですが、メスには白っぽいのがいて、一見モンシロチョウと見間違えることもあります。各種の花で蜜を吸っていますが、動きが活発で、なかなか撮れない時があります。幼虫はシロツメクサ、クサフジ、レンゲソウ、コマツナギ、ミヤコグサなどの各種マメ科植物を食べます。

<名前の由来>
 羽に紋のある黄色いチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がやや大きいのです。
モンキチョウの夏型(シロチョウ科) 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

モンキチョウの夏型♂(シロチョウ科) 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


モンシロチョウ(シロチョウ科) 

モンシロチョウ(紋白蝶)
学 名 Pieris rapae
科 名 シロチョウ科 
時 期 年6〜7回、3月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)44-46mm
生育地 キャベツ畑など
<特徴>
 多化性で、成虫は春から秋まで、日本中で普通に見られるチョウで、最もなじみの深いものの一つです。翅の裏側は、白色からやや黄色みを帯びます。翅の表側は、白色地に黒斑があり、前翅先端の黒斑は三角形になります。野原や畑などを白っぽいチョウがフワフワと飛んでいて、いろいろな花にとまって蜜を吸ったりしています。幼虫は、キャベツダイコンの葉を食するので、害虫にされています。モンキチョウのメスやスジグロシロチョウと見間違えることがあります。

<名前の由来>
 羽に紋のある白いチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、春型は小型で黒っぽい感じがします。
モンシロチョウの夏型(シロチョウ科) 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、花で吸蜜したり、飛んだりしていました。


スジグロシロチョウ(シロチョウ科) 

スジグロシロチョウ(筋黒白蝶)
学 名 Pieris melete
科 名 シロチョウ科 
時 期 年4〜5回、3月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)24-35mm
(開張)50-60mm
生育地 低地の林周辺、耕作地、市街地など
<特徴>
 多化性で、成虫は初春から秋まで、低地の林周辺、耕作地、市街地など、一般的に見られる白色っぽいチョウですが、一見モンシロチョウヤマトスジグロシロチョウと見間違えることもあります。翅の裏側は、白色で黒斑と黒い筋があります。翅の表側は、白色地に黒斑と黒い筋があります。幼虫は、アブラナ科植物(イヌガラシ、ハタザオ、タネツケバナ、アブラナ、ワサビなど)を食べます。

<名前の由来>
 シロチョウの仲間で、羽に黒い筋があるチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がやや大きいのです。
スジグロシロチョウ夏型♀(シロチョウ科) 2006年8月5日午前、中津川(秩父市)で撮影

 006年8月5日午前、中津川(秩父市)で撮影しましたが、葉や花に止まっていました。

スジグロシロチョウ夏型♂(シロチョウ科) 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

スジグロシロチョウ夏型♀(シロチョウ科) 2012年9月9日午前、小倉沢(埼玉県秩父市)で撮影

 2012年9月9日午前、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

スジグロシロチョウ夏型♂(シロチョウ科) 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、花に止まったり、飛んだりしていました。

 


ヤマトスジグロシロチョウ(シロチョウ科) 

ヤマトスジグロシロチョウ
(大和筋黒白蝶)
学 名 Artogeia nesis
科 名 シロチョウ科 
亜科名 モンシロチョウ亜科
族 名 モンシロチョウ族
属 名 モンシロチョウ属
時 期 年2回、4月〜8月
分 布 北海道南部〜九州
大きさ (前翅長)18-32mm
(開張)40-50mm
生育地 山地の林周辺、露岩地、海岸の崖地など

<特徴>
 年2回の発生で、成虫は春から夏まで、山地の林周辺、露岩地、海岸の崖地などで、一般的に見られる白色っぽいチョウですが、一見モンシロチョウスジグロシロチョウと見間違えることもあります。翅の裏側は、白色で、黒い筋が目立ちます。翅の表側は、白色地に黒斑と黒い筋があります。幼虫は、アブラナ科のハクサンハタザオ、ヤマハタザオ、コンロンソウなどを食べます。

<名前の由来>
 シロチョウの仲間で、以前はエゾスジグロチョウと同じ種でしたが、本州産と北海道産を別種として扱う際に本州産を大和(ヤマト)とし、羽に黒い筋(スジグロ)があるチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がやや大きいのです。近年、エゾスジグロシロチョウの本州産(北海道南部を含む)を別種として扱うようになったものです。

ヤマトスジグロシロチョウの夏型♂(シロチョウ科) 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)の標高約740m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していたのを接写しました。



ベニシジミ(シジミチョウ科)

ベニシジミ(紅小灰)
学 名 Lycaena phlaeas
科 名 シジミチョウ科 
時 期 年数回、3月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)13-19mm
(開張)27-35mm
生育地 草地、荒地、畑地、湿地など
<特徴>
 多化性で、成虫は早春から晩秋まで、草地や人家周辺で普通に見られ、小型ですが、オレンジ色に黒斑が目立つためにしばしば目を引きます。特に、春型が鮮やかで、近づいて観察するととても愛らしいのです。地面近くを忙しそうに飛び、各種の花にとまって蜜を吸ったりしていますが、あまり動かない時もあって、よくカメラに収まってくれます。幼虫は、スイバ、ギシギシ、ノダイオウなどを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、紅色をしているので名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、春型の方が色が鮮やかです。
ベニシジミの夏型(シジミチョウ科) 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

ベニシジミの夏型(シジミチョウ科) 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)の標高約700m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


ヤマトシジミ (シジミチョウ科) 

ヤマトシジミ (大和小灰)
学 名 Pseudozizeeria maha
科 名 シジミチョウ科 
時 期 年数回、3月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)9-16mm
(開張)20-28mm
生育地 道端、野原、庭など

<特徴>
 多化性で、成虫は早春から晩秋まで、草地や人家周辺で普通に見られる、小型のシジミチョウです。翅の裏側には、灰色地に黒い斑紋列が見られます。表側は少し光沢のある空色ですが、メスは黒っぽいものが見られます。地表近くを忙しげに飛んで、シロツメクサなどで吸蜜していますが、動きが速いのでなかなかシャッターを切らせてくれません。幼虫はカタバミを食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、日本(ヤマト)に広く分布していることから名付けられました。

<備考>
 カタバミのあるところに出没します。

ヤマトシジミ (シジミチョウ科) 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2007年9月16日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

ヤマトシジミ(シジミチョウ科) 2014年8月22日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2014年8月22日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、葉の上で羽を休めているところを接写しました。


スギタニルリシジミ(シジミチョウ科)

スギタニルリシジミ(杉谷瑠璃小灰)
学 名 Celastrina sugitanii
科 名 シジミチョウ科 
時 期 年1回、3月〜5月
分 布 北海道、本州、四国、九州
大きさ (前翅長)12-16mm
(開張)23-28mm
生育地 広葉樹林、渓流沿いなど
<特徴>
 年1回の発生で、早春にだけ成虫が出現する「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」蝶の一つで、北海道〜九州の平地から山地の広葉樹林、渓流沿いなどで見られるシジミチョウの仲間です。翅の裏側は、灰白色で黒紋が不明瞭な白色輪状紋で囲まれています。翅の表側は、オスではやや暗い紫青色で、狭い外縁の黒帯がありますが、メスでは、少し輝く紫青色で、やや広い外縁の黒帯があります。日中は高所を飛翔していますが、オスは地表で吸水することがあります。幼虫は、トチノキ科(トチノキ)、ミズキ科(ミズキ)、ミカン科(キハダ)などを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の表側が瑠璃(ルリ)色をしているので名付けられ、杉谷博士が発見したので頭にスギタニが付きました。

<備考>
 ルリシジミとよく似ています。
スギタニルリシジミ (シジミチョウ科) 2013年5月18日午前、中津川(秩父市)で撮影

 2013年5月18日午前、中津川(埼玉県秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、地表に止まっていました。


ツバメシジミ (シジミチョウ科)

ツバメシジミ (燕小灰)
学 名 Everes argiades
科 名 シジミチョウ科
時 期 年4回、4月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)9-19mm
(開張)25mm前後
生育地 草地、河川堤防など
<特徴>
 多化性で、成虫は春から秋まで、草地や河原で普通に見られる小型のシジミチョウです。後翅の裏側には、オレンジ色の紋があり、表側はオスは、青紫色ですが、メスは黒っぽくなります。また、後翅に糸のような短い尾(尾状突起)があるのが特徴です。地表近くを軽々と飛んでいて、時々各種の花や地表にとまります。幼虫は、マメ科植物(シロツメクサレンゲソウ、ナンテンハギ、ヤマハギ、コマツナギなど)を食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、後羽にツバメの尾のような細長い尾状突起があることから名付けられました。

<備考>
 日当たりの良い場所を好みます。
ツバメシジミの夏型♀(シジミチョウ科) 2012年9月9日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2012年9月9日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

ツバメシジミの春型♂(シジミチョウ科) 2013年5月18日午前、中津川(秩父市)で撮影

 2013年5月18日午前、中津川(秩父市)で撮影しました。


テングチョウ(タテハチョウ科)

テングチョウ(天狗蝶)
学 名 Libythea celtis
科 名 タテハチョウ科
時 期 通常年1回、5月〜11月
分 布 日本各地
大きさ (前翅長)19-29mm
(開張)40〜50mm  
生育地 広葉樹林の周辺など
<特徴>
 通常年1回の発生で、成虫は春から秋まで、広葉樹林の周辺などで見られますが、成虫で越冬するので、暖かい冬の日に出てくる場合があります。系統的に古い蝶といわれており、日本で生息しているのは、テングチョウ亜科では1属1種のみです。翅の裏側は枯葉模様で、木の枝にとまっているとわからなくなります。表側は、茶褐色の地色に大きなオレンジ斑が見られます。また、頭部に鼻のように見える下唇鬚(パルピ)があるのが特徴となっています。幼虫は、ニレ科植物(エノキ、エゾエノキ、クワノハエノキ)を食べます。

<名前の由来>
 頭部が天狗の鼻のように見えることからテングチョウと名付けられました。

<備考>
 本土亜種と南西諸島亜種があります。
テングチョウ(タテハチョウ科) 2006年8月5日午前、中津川(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、中津川(秩父市)で撮影しましたが、地表で吸水していました。


アサギマダラタテハチョウ科

アサギマダラ(浅葱斑)
学 名 Parantica sita
科 名 タテハチョウ科 
時 期 年2〜3回、4月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)43-65mm
(開張)100mm前後
生育地 市街地から高山帯まで
<特徴>
 成虫は春から秋まで、市街地から高山帯までいろいろなところで見られるマダラチョウの仲間です。翅の裏側と表側は黒褐色の地に浅葱(アサギ)色の斑模様が見られますが、後翅の外縁は赤褐色になります。ほとんどはばたかず、ふわふわと舞っていますが、移動性が強く、長距離移動をする渡り蝶として知られています。幼虫は、ガガイモ科植物(キジョラン、イケマなど)を食べます。

<名前の由来>
 葱(ねぎ)の若芽に因んだ青み勝ちの浅い緑青色(アサギ)をした斑(マダラ)模様のある蝶という意味で命名されました。

<備考>
 季節型はありません。
アサギマダラ♂(タテハチョウ科) 2007年9月16日午前、三峰山(秩父市)で撮影

 2007年9月16日午前、標高1,100mの三峰山(秩父市)で撮影しました。

アサギマダラ♀(タテハチョウ科) 2013年7月20日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


ジャノメチョウ(タテハチョウ科)

ジャノメチョウ(蛇目蝶)
学 名 Minois dryas
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1回、7月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)28-42mm
(開張)50-70mm
生育地 草原、河川堤防、林縁など
<特徴>
 年1回の発生で、夏に成虫が出現し、草原、河川堤防、林縁などで普通に見られる大型のジャノメチョウです。翅の裏側は、茶色の地色に大小の眼状紋が並んでいます。表側は、オスは褐色、メスは茶褐色で、いずれも前翅に2〜3個、後翅に1個の眼状紋がみられますが、前翅の方が大きく見えます。比較的明るいところを好み、草原を低くリズミカルに飛んでいたりしますが、なかなかカメラには収まってくれません。幼虫は、カヤツリグサ科植物(ショウジョウスゲ、ヒカゲスゲ、ノガリヤスなど)、イネ科植物(ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い眼状紋(蛇の目)があることで命名されました。

<備考>
 オスよりメスの方が大きいです。埼玉県レッドデータブック準絶滅危惧
ジャノメチョウ(タテハチョウ科) 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

ジャノメチョウ(タテハチョウ科)  2007年9月16日午前、三峰山(秩父市)で撮影

 2007年9月16日午前、標高1,100mの三峰山(秩父市)で撮影しましたが、葉上や地表に止まっていました。


ヒカゲチョウ(タテハチョウ科)

ヒカゲチョウ(日陰蝶)
学 名 Lethe sicelis
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2回、5月〜9月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)25-34mm
(開張)50-60mm
生育地 平地から低山地の樹林など
<特徴>
 年2回の発生で、成虫は春から初秋まで、平地から低山地の樹林などで見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は灰褐色の地色に白線と大小の眼状紋が見られます。表側は灰褐色の地色に、後翅に小さな眼状紋があります。幼虫は、イネ科植物(マダケ、アズマザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて、曇天や夕刻などに日陰(ヒカゲ)をよく飛びまわる蝶なので命名されました。

<備考>
 季節型はありません。ナミヒカゲと呼ばれる場合があります。
ヒカゲチョウ(タテハチョウ科) 2006年8月20日午前、三峰山(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午前、標高1,100mの三峰山(秩父市)で撮影しました。


クロヒカゲ(タテハチョウ科)

クロヒカゲ(黒日陰)
学 名 Lethe diana
科 名 タテハチョウ科
時 期 年3回、5月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)23-33mm
(開張)50-60mm
生育地 平地から亜高山帯
<特徴>
 年3回の発生で、成虫は春から初秋まで、平地から亜高山帯などで広く見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は黒褐色の地色に白線と大小の眼状紋が見られます。表側は黒褐色の地色に小さな眼状紋があります。俊敏に飛ぶので、なかなかカメラには収まってくれません。幼虫は、イネ科植物(チシマザサ、ネザサ、クマザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて曇天や夕刻によく飛びまわるヒカゲチョウの中で、黒っぽい色をしているので命名されました。

<備考>
 季節型はありませんが、メスはオスに比べて翅の表側の色がやや淡いのです。本土亜種と御蔵島亜種があります。
クロヒカゲ(タテハチョウ科) 2012年9月9日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2012年9月9日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、本土亜種です。

クロヒカゲ(タテハチョウ科) 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影

2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、開翅したところが撮れました。


ヒメキマダラヒカゲ(タテハチョウ科)

ヒメキマダラヒカゲ
(姫黄斑日陰)
学 名 Zophoessa callipteris
科 名 タテハチョウ科
時 期 ふつう年1回、6月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)25-34mm
(開張)50-60mm
生育地 山地の樹林帯樹など
<特徴>
 ふつう年1回の発生で、成虫は初夏から秋にかけて、山地の樹林帯などで見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は黄色の地に黄褐色の線と後翅には眼状紋が見られます。表側は茶褐色の地に黒褐色の線と後翅には黒の斑模様が見られます。幼虫は、イネ科植物(チヂミザサ、クマザサ,チシマザサ、ヤマカモジグサなど)を食べます。

<名前の由来>
 小さく愛らしいので姫(ヒメ)、また黄色の斑(キマダラ)模様があり、陽光を避けて、曇天や夕刻などに日陰(ヒカゲ)をよく飛びまわのにちなんで命名されました。

<備考>
 メスはオスに比べて大きめです。
ヒメキマダラヒカゲ(タテハチョウ科) 2006年8月20日午前、三峰山(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午前、標高1,100mの三峰山(秩父市)で撮影しました。

ヒメキマダラヒカゲ(タテハチョウ科) 2013年7月20日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたしましたが、葉上に止まっていました。


ヤマキマダラヒカゲ(タテハチョウ科)

ヤマキマダラヒカゲ
(山黄斑日陰)
学 名 Neope niphonica
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1〜2回、5月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)30-38mm
(開張)55-65mm
生育地

低山地から亜高山帯の雑木林の周辺など

<特徴>
 年1〜2回の発生で、成虫は春から夏まで、低山地から亜高山帯の雑木林の周辺などで普通に見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は白と黄と黒の入り交じった文様で、眼状紋が並んでいます。表側は、茶褐色の地色に橙黄色の斑と線が見られます。樹木や地面に時々とまりますが、羽を閉じているので、飛翔時以外に表側を撮影するのは難しいのです。幼虫は、イネ科植物(チシマザサ、シナノザサ、ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて曇天や夕刻によく飛びまわるヒカゲチョウの中で、山(ヤマ)で多く見られ、黄色の斑(キマダラ)模様があるので命名されました。

<備考>
 サトキマダラヒカゲとよく似ていて、識別はなかなか難しいのです。本土亜種、房総亜種、屋久島亜種があります。
ヤマキマダラヒカゲ(タテハチョウ科)本土亜種 2013年5月18日午後、三峰山(秩父市)で撮影

 2013年5月18日午後、標高約1,100mの三峰山山頂(秩父市)付近で撮影しましたが、本土亜種です。


コジャノメ(タテハチョウ科)

コジャノメ(小蛇目)
学 名 Mycalesis francisca
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜3回、4月〜10月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)40-50mm
生育地 雑木林内や周辺
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は春から秋まで見られ、本州から九州の雑木林内やその周辺の暗い環境を好むジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は黒褐色の地色に白線と大小の眼状紋が並んでいますが、地色が濃く、白線が少し湾曲し、やや紫がかっていることで、ヒメジャノメと区別されます。表側は茶色の地色に、前翅では大小2つの眼状紋が左右にあり、後翅では小さいのが左右に一つずつあります。飛び方は、比較的緩やかで、葉や地表にとまりやすいので、シャッターを切れるチャンスがあります。幼虫はイネ科植物(チジミザサ、ススキ、アシボソ、アブラススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い眼状紋(蛇の目)があることで命名されたジャノメチョウの仲間で、ジャノメチョウより小さいのでコ(小)が付きました。

<備考>
 夏型は前翅の眼状紋が大きくなります。
コジャノメの夏型(タテハチョウ科) 2006年8月20日午前、三峰山(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午前、標高1,100mの三峰山(秩父市)で撮影しました。

 


オオウラギンスジヒョウモン(タテハチョウ科)

オオウラギンスジヒョウモン
(大裏銀筋彪紋)
学 名 Argyronome ruslana
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1回、6月〜7月、9月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)34-43mm
(開張)70mm前後
生育地 山地の樹林周辺、草地など
<特徴>
 年1回の発生で、成虫は6月〜7月頃あらわれますが、低山地では真夏には一時夏眠し、9月頃再び活動するタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に前翅には黒斑、後翅には、中央に白色斑列があり、銀色の筋のようにも見えます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られますが、オスには前翅の表側に性標が3本あります。幼虫は、スミレ科植物(タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 大(オオ)型の彪紋(ヒョウモン)蝶で、羽の裏側に銀(ギン)色の筋(スジ)があるのでこの名前が付きました。

<備考>
 オスよりメスの方がやや大きいのです。
オオウラギンスジヒョウモン♂(タテハチョウ科) 2006年8月5日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影 

 2006年8月5日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しました。


ミドリヒョウモン(タテハチョウ科)

ミドリヒョウモン(緑彪紋)
学 名 Argynnis paphia
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1回、6月〜7月、9月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)31-40mm
(開張)65-75mm
生育地 平地から亜高山帯の雑木林周辺など
<特徴>
 年1回の発生で、成虫は6月〜7月頃あらわれますが、低山地では真夏には一時夏眠し、9月頃再び活動するタテハチョウの一種です。翅の裏側は、薄緑色の地に銀白色の帯が3本見られます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られます。幼虫は、スミレ科植物(スミレ、タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅の裏側が緑(ミドリ)色ぽくなっている、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 オスには前翅の表側に性標が3本みられます。

ミドリヒョウモン♂(タテハチョウ科) 2006年8月5日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


ツマグロヒョウモン(タテハチョウ科)

ツマグロヒョウモン(褄黒彪紋)
学 名 Argyreus hyperbius
科 名 タテハチョウ科
時 期 多化性、4月〜11月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)27-38mm
(開張)70-80mm
生育地 河原、畑地、草原、市街地など
<特徴>
 多化性で、成虫は春から晩秋に、本州(関東以西)から沖縄の河原、畑地、草原、市街地などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に斑模様がありますが、前翅には赤色部分が表れます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られますが、メスの前翅の先は黒紫になり、白い帯があります。オスは、占有行動をとることが知られています。幼虫は、スミレ科植物(スミレ、タチツボスミレパンジーなど)を食べます。

<名前の由来>
 メスの前翅の端を意味する褄(ツマ)が黒(クロ)色になっている、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 季節型はありませんが、オスとメスでかなり模様が異なります。
ツマグロヒョウモン♂(タテハチョウ科) 2006年8月20日午前、三峰山(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午前、標高1,100mの三峰山(秩父市)で撮影しました。

ツマグロヒョウモン♂(タテハチョウ科) 2007年9月16日午前、三峰山(秩父市)で撮影

 2007年9月16日午前、標高1,100mの三峰山(秩父市)で撮影しましたが、地表に止まっていました。

ツマグロヒョウモン♂と♀(タテハチョウ科) 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)の標高約700m地点で撮影しましたが、オスとメスが花で吸蜜していました。

☆ギンボシヒョウモン(タテハチョウ科)


ギンボシヒョウモン(銀星彪紋)
学 名 Speyeria aglaja
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1回、5月〜8月
分 布 北海道、本州(中部以北)
大きさ (前翅長)28-34mm
(開張)55mm前後
生育地 本州では山地など
北海道では平地など
<特徴>
 年1回の発生で、成虫は晩春から夏に、本州では山地などで、北海道では平地でも見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に白銀の斑模様があります。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られます。幼虫は、スミレ科植物(スミレ、タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽の裏側に、銀(ギン)色に見える星(ホシ)のような模様を持つ、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 オスよりメスの方が大きいのです。北海道亜種と本州亜種があります。
ギンボシヒョウモン(タテハチョウ科)本州亜種 2013年7月20日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたが、本州亜種です。


イチモンジチョウ(タテハチョウ科)

イチモンジチョウ(一文字蝶)
学 名 Limenitis camilla
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜3回、5月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)24-36mm
(開張)45-55mm
生育地 雑木林周辺、都市郊外など
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は春から秋まで、雑木林周辺、都市郊外などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に、白帯と黒の斑模様が見られます。翅の表側は、黒褐色の地に白い帯が目立ち、羽を開いているときには、1本の帯のように見えます。あまり羽をはばたかずに滑空するように飛び、時々木々にとまります。幼虫は、スイカズラ科植物(スイカズラ、ヒョウタンボク、ハコネウツギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開くと、前翅と後翅の模様が繋ながって、白い帯が、一(イチ)の文字(モンジ)のように見えるので名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。アサマイチモンジとよく似ているので、識別には注意が必要です。
イチモンジチョウ(タテハチョウ科) 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)の標高約700m地点で撮影しましたが、葉上に止まっていたのを接写しました。


ミスジチョウ(タテハチョウ科)

ミスジチョウ(三筋蝶)
学 名 Neptis philyra
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)31-37mm
(開張)65mm前後
生育地 山地の樹林など
<特徴>
 年1回の発生で、夏に成虫が出現し、山地の樹林などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は茶色地に白線が入り、表側は濃茶色地に三本の白い帯が目立ちます。ゆるやかに、スーッと飛ぶ独特な飛び方をします。幼虫は、カエデ科植物(カエデ、ヤマモミジ、タカオカエデなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開いた時の模様が、白い3本の横筋線が目立つので「ミスジ」と命名されました。

<備考>
 オスとメスが似ています。埼玉県レッドデータブック準絶滅危惧
ミスジチョウ(タテハチョウ科) 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)の標高約1,000mの地点で撮影しましたが、沢沿いを飛んでいました。

ミスジチョウ(タテハチョウ科) 2013年7月21日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2013年7月21日午後、中津川(秩父市)の標高約700mの地点で撮影しましたが、川沿いを飛んでいました。


コミスジ(タテハチョウ科)

コミスジ(小三筋)
学 名 Neptis sappho
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜3回、4月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)22-30mm
(開張)45-54mm
生育地 都市郊外、山地、林縁
<特徴>
 春から秋まで、林縁や都市郊外などでも普通に見られる小さめのタテハチョウの仲間です。翅の裏側は茶色地に白線が入り、表側は濃茶色地に三本の白い帯が目立ちます。羽をパタパタさせながら、スーッと飛ぶ独特な飛翔を見せますが、ちょっと鈍感なのか、近づいても動かないことがあるので、結構カメラに収まってくれます。幼虫は、マメ科植物(クズフジ、ヤマハギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開いた時の模様が、白い3本の横筋線が目立つので「ミスジ」と命名されたのですが、その中では小型なので頭に「コ」がつきました。

<備考>
 オスとメスが似ています。
コミスジ(タテハチョウ科) 2007年6月3日午前、雲取林道(秩父市)で撮影

 2007年6月3日午前、雲取林道(秩父市)の標高900m地点で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

コミスジ(タテハチョウ科) 2013年5月18日午前、小倉沢(秩父市)で撮影

 2013年5月18日午前、小倉沢(秩父市)で撮影しましたが、葉上や地表に止まっていました。

コミスジ(タテハチョウ科) 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)標高約700mの地点で撮影しましたが、葉上に止まっていました。


ホシミスジ(タテハチョウ科)

ホシミスジ(星三筋)
学 名 Neptis pryeri
科 名 タテハチョウ科
時 期 通常年1回、6月〜7月
西日本は年2〜3回、5月〜10月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)23-34mm
(開張)60mm前後
生育地 樹林周辺、草地、露岩地、市街地
<特徴>
 通常年1回初夏に、西日本では年2〜3回、春から秋に成虫が発生し、樹林周辺、草地、露岩地、市街地などで見ることができるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は茶色地に白線が入り、後翅基部に星のような黒斑あるので、コミスジミスジチョウなどと識別できます。また、表側は濃茶色地に三本の白い帯が目立ちます。軽やかに飛び、なかなかとまらないので、撮影には苦労します。幼虫は、バラ科植物(シモツケ、ホザキシモツケ、イワシモツケ、アイズシモツケ、イブキシモツケ、イワガサ、ユキヤナギ、コデマリなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開いた時の模様が、白い3本の横筋線が目立つので「ミスジ」と命名されたのですが、その中でも後翅裏側の基部に星(ホシ)のような黒斑があるのでこの名が付きました。

<備考>
 メスはオスよりやや大きく、翅が丸味をおびます。埼玉県レッドデータブック準絶滅危惧
ホシミスジ(タテハチョウ科) 2006年8月5日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたしましたが、林道上を飛んでいました。

ホシミスジ(タテハチョウ科) 2012年9月9日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2012年9月9日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

ホシミスジ(タテハチョウ科) 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、葉上に止まっていました。


サカハチチョウ(タテハチョウ科)

サカハチチョウ(逆八蝶)
学 名 Araschnia burejana
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2回、4月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)20-25mm
(開張)50mm前後
生育地 平地や山地の樹林周辺など
<特徴>
 年2回の発生で、成虫は春から夏に、丘陵地や山地の樹林周辺などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、褐色の地に白く太い帯と細かい白線が複雑に交叉した幾何学模様を作っています。翅の表側は、春型と夏型では大きく異なり、春型では黒と褐色が入り交じった斑模様となり、夏型では、黒褐色の地にイチモンジチョウのような白い帯がはっきりと見えます。いくどとなく羽ばたいて滑空しますが、結構とまってくれるので、撮影のチャンスはあります。幼虫は、イラクサ科植物(アカソ、コアカソ、イラクサなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開いたときに特に夏型で、黒褐色の地に白く、逆(サカ)さの「八」の字が浮かび上がって見えるのでこの名前が付きました。

<備考>
 春型と夏型がありますが、同じ蝶とは思えないぐらい文様が異なります。
サカハチチョウの夏型♀(タテハチョウ科) 2006年8月5日午前、中津川(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、中津川(秩父市)で撮影しましたが、地表に止まっていました。

サカハチチョウの夏型♀(タテハチョウ科) 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

サカハチチョウの夏型♀(タテハチョウ科) 2016年9月5日午前、小倉沢(秩父市)で撮影

 2016年9月5日午前、小倉沢(秩父市)の標高約900mの地点で撮影しました。

 


シータテハ(タテハチョウ科)

シータテハ(C立翅)
学 名 Polygonia c-album
科 名 たてはちょう科
時 期 年2回、7月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)24-30mm
(開張)60-70mm
生育地 山地の渓谷沿いの林道など
<特徴>
 年2回の発生で、成虫は夏から秋にかけて、山地の渓谷沿いの林道などで見られるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は目立たない地味な色をしていますが、白くCの字が浮かび上がって見えるのが特徴です。表側は、褐色の地に黒い紋がありますが、夏型は地色が黄色っぽくなります。かなり敏捷に飛びまわるのですが、たまに、地上に静止することもあるので、結構カメラにも収まってくれます。幼虫は、ニレ科植物(ハルニレ、エノキ、オヒョウなど)、イラクサ科植物(コアカソ)などを食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、羽の裏側にC(シー)の字の文様が、見られるので名付けられました。

<備考>
 夏型と秋型があり、秋型は成虫で越冬し、春に見られることがあります。
シータテハの秋型(タテハチョウ科) 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、地表にとまっていました。

シータテハの秋型(タテハチョウ科) 2012年9月9日午前、小倉沢(秩父市)で撮影

 2012年9月9日午前、小倉沢(秩父市)で撮影しましたが、地表にとまっていました。


エルタテハ(タテハチョウ科)

エルタテハ(L立翅)
学 名 Nymphalis vaualbum
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1回、7月〜9月
分 布 北海道、本州(中部以北)
大きさ (前翅長)30-36mm
(開張)60-70mm
生育地 本州では山地など
北海道では山地、平地
<特徴>
 年1回の発生で、夏に成虫が出現し、本州では中部地方以北の山地の樹林周辺や沢沿いなどで、北海道では平地でも見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は目立たない地味な色をしていますが、白くLの字が見えるのが特徴です。表側は、褐色の地に黒斑と白斑が目立ちます。元気に飛びまわっていますが、たまに、地上に静止することがあり、その時には羽を開閉させています。幼虫は、ニレ科植物(ハルニレなど)、カバノキ科植物(ダケカンバ、シラカンバなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、羽の裏側にL(エル)の字の文様が、見られるので名付けられました。

<備考>
 オスとメスがよく似ています。成虫で越冬しますので、春先に見られる場合もあります。
エルタテハ(タテハチョウ科) 2006年8月5日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたが、林道上に飛んできました。

エルタテハ♂(タテハチョウ科) 2013年7月20日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたが、岩の上にとまっていました。


キベリタテハ(タテハチョウ科)

キベリタテハ(黄縁立翅)
学 名 Nymphalis antiopa
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1回、8月〜9月
分 布 北海道、本州(中部以北)
大きさ (前翅長)32-43mm
(開張)60-80mm
生育地 山林の林道など
<特徴>
 年1回の発生で、夏に成虫が出現し、北海道から本州中部山岳以北の山林の林道などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は黒っぽい木肌模様で、目立ちませんが、表側は、黒褐色の地に瑠璃色斑列と黄色の縁が見られ、とても風格があります。幼虫は、カバノキ科植物(ダケカンバ、ウダイカンバ、シラカンバなど)、ヤナギ科植物(オオバヤナギ、バッコヤナギなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、翅に黄色い縁(キベリ)があることから名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬するので、春先に見られる場合があります。オスとメスがよく似ていて、判別は難しいのです。
キベリタテハ(タテハチョウ科) 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2006年8月20日午後、小倉沢(秩父市)の標高約900m地点で撮影しましたが、地表で吸水しながら、翅を閉じたり、開いたりしていました。


ルリタテハ(タテハチョウ科)

ルリタテハ(瑠璃立翅)
学 名 Kaniska canace
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜3回、6月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)25-44mm
(開張)55-65mm
生育地 市街地、山地など
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は初夏から秋まで、市街地から山地まで見ることができるタテハチョウの一種です。翅の裏側は木肌模様で、目立ちませんが、表側は黒地に瑠璃(ルリ)色の帯があり、前翅には白い模様も見られます。とても敏捷に飛びまわり、樹上や路上では羽を開いて休みますが、樹液を吸う時などは、羽を閉じるので目立たなくなります。オスは、占有行動をとることが知られています。幼虫はユリ科植物(サルトリイバラ、ホトトギス、オニユリヤマユリなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、翅の表側に瑠璃(ルリ)色の帯があるので、名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬します。また、メスがオスよりやや大きいのです。本土亜種と南西諸島亜種があります。
ルリタテハ(タテハチョウ科) 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、本土亜種です。


キバネセセリ(セセリチョウ科)

キバネセセリ(黄羽せせり)
学 名 Bibasis aquilina
科 名 セセリチョウ科
時 期 年1回、7月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)21-26mm
(開張)35-45mm  
生育地 雑木林周辺や渓流沿いで見られ、中部・西日本では山地性
<特徴>
 年1回の発生で、夏に成虫が出現し、北海道〜九州の雑木林周辺や渓流沿いで見られるセセリチョウの仲間ですが、中部・西日本では山地性となります。翅の表側は黄褐色で筋が見られ、メスは前翅にはっきりした黄色斑群があるので、識別できます。翅の裏側はほぼ黄褐色です。すばやく飛翔するので、追いかけるのはたいへんです。幼虫は、ウコギ科植物(ハリギリなど)、を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、羽が黄(キ)色っぽく見えることから名付けられました。

<備考>
 顕著な地域差はありません。
キバネセセリ♀(セセリチョウ科) 2006年8月5日午前、奥秩父林道(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、奥秩父林道(秩父市)の標高約1,300m地点で撮影しました。

キバネセセリ♀(セセリチョウ科) 2013年7月20日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


ギンイチモンジセセリ
(銀一文字せせり)
学 名 Leptalina unicolor
科 名 セセリチョウ科
時 期 年2〜3回、4月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)13-21mm
(開張)26-32mm  
生育地 草原、草地
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は春から夏まで、平地から山地の草原や草地で見られるセセリチョウの仲間ですが、山地や寒冷地では年1回の発生となります。翅の表側は黒っぽく、裏側は、前翅では黒褐色から黄褐色、後翅では、黄褐色に白銀色の帯があります。また、ゆるやかにひらひらと飛ぶのが特徴です。幼虫は、イネ科植物(ススキ、エノコログサ、チガヤ、ヨシなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、後翅裏側の白銀帯が、輝いて銀の一文字のように見えることから名付けられました。

<備考>
 春型と夏型がありますが、春型は銀一文字がくっきり出ます。環境省レッドリスト準絶滅危惧埼玉県レッドデータブック準絶滅危惧
ギンイチモンジセセリの春型(セセリチョウ科) 2007年6月3日午後、小倉沢(秩父市)で撮影

 2007年6月3日午後、小倉沢(秩父市)で撮影しましたが、1頭だけいました。


イチモンジセセリ(セセリチョウ科)

イチモンジセセリ
(一文字せせり)
学 名 Parnara guttata
科 名 セセリチョウ科
時 期 年2〜3回、6月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)15-21mm
(開張)35mm前後
生育地 市街地、山地
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は初夏から秋まで、市街地や草原、山地などいたる所で普通に見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に白銀の斑点が見られますが、特に後翅の白銀模様が一列になった、一文字模様を見せるのが特徴です。表側は裏側より濃い茶色の地色に白銀模様が見られます。一見ガの仲間と見間違えやすく、集団で移動することが知られています。幼虫は、イネ科、カヤツリグサ科の各種を食べますが、特にイネに有害で、駆除の対象とされています。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、後羽の白色の斑紋が一列(一文字)に並んでいるところから名付けられました。

<備考>
 季節型は有りません。幼虫は、別名:イネツトムシとも呼ばれています。
イチモンジセセリ(セセリチョウ科) 2006年8月5日午前、奥秩父林道(秩父市)で撮影

 2006年8月5日午前、奥秩父林道(秩父市)の標高約1,300m地点で撮影しました。

イチモンジセセリ(セセリチョウ科) 2006年8月20日午前、三峰山(埼玉県秩父市)で撮影

 2006年8月20日午前、標高1,100mの三峰山(埼玉県秩父市)で撮影しました。

イチモンジセセリ(セセリチョウ科) 2007年9月16日午前、三峰山(秩父市)で撮影

 2007年9月16日午前、標高1,100mの三峰山(秩父市)で撮影しました。

イチモンジセセリ(セセリチョウ科) 2013年7月20日午前、三国峠付近(秩父市)で撮影

 2013年7月20日午前、標高1,740mにある三国峠付近(秩父市)で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

イチモンジセセリ(セセリチョウ科) 2014年8月22日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2014年8月22日午後、中津川(秩父市)で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


チャバネセセリ
(茶羽せせり)
学 名 Pelopidas mathias
科 名 セセリチョウ科
時 期 年3回、5月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)13-21mm
(開張)30〜40mm  
生育地 河川堤防、公園、草地など
<特徴>
 年3回の発生で、成虫は春から秋まで、関東以西の河川堤防、公園、草地などで普通に見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は黄褐色の地色に白色の小斑点が見られますが、はっきりしない場合があります。表側は、茶褐色の地色に白斑が見られますが、前翅ではやや大きめです。幼虫は、イネ科植物(チガヤ、ススキなど)、カヤツリグサ科植物を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中では茶色っぽい羽に見えることから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。
チャバネセセリ(セセリチョウ科) 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)で撮影

 2016年9月5日午後、中津川(秩父市)の標高約700mの地点で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

 


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