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埼玉県内の蝶の観察と写真、資料を掲載しています。

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<蝶の資料集>

蝶の食餌植物一覧

 蝶の幼虫が主に食べる植物の一覧ですが、埼玉県内にいる蝶の分に限定しています。

植物名  食餌植物としている蝶
【ウマノスズクサ科】  
・ウマノスズクサ ジャコウアゲハホソオチョウ 
【ケシ科】  
ムラサキケマン ウスバシロチョウ
・ヤマエンゴサク ウスバシロチョウ
・ジロボウエンコグサ ウスバシロチョウ
【ミカン科】
・ウンシュウミカン アゲハチョウナガサキアゲハクロアゲハモンキアゲハカラスアゲハ
ナツミカン アゲハチョウナガサキアゲハクロアゲハモンキアゲハカラスアゲハ
・ユズ アゲハチョウナガサキアゲハクロアゲハモンキアゲハカラスアゲハ
・サンショウ クロアゲハカラスアゲハオナガアゲハ
・イヌザンショウ クロアゲハ
・カラスザンショウ クロアゲハカラスアゲハミヤマカラスアゲハオナガアゲハ
コクサギ オナガアゲハカラスアゲハ
カラタチ アゲハチョウナガサキアゲハクロアゲハカラスアゲハオナガアゲハ
キハダ ミヤマカラスアゲハスギタニルリシジミ
【セリ科】  
パセリ キアゲハ
ニンジン キアゲハ
・ミツバ キアゲハ
【クスノキ科】  
クスノキ アオスジアゲハ
・タブノキ アオスジアゲハ
・ヤブニッケイ アオスジアゲハ
【トチノキ科】  
トチノキ スギタニルリシジミ
【ミズキ科】  
ミズキ ルリシジミスギタニルリシジミ
【ウコギ科】  
・ハリギリ キバネセセリ
【マメ科】
・エンドウ ウラナミシジミ
シロツメクサ モンキチョウツバメシジミ
レンゲソウ モンキチョウツバメシジミ
カラスノエンドウ ツバメシジミ
・メドハギ キタキチョウ
・ナンテンハギ コミスジ
・ハリエンジュ コミスジ
ヤマハギ ルリシジミツバメシジミキタキチョウ
マルバハギ ルリシジミキタキチョウ
・ネムノキ キタキチョウ
・カワラケツメイ ツマグロキチョウ
・アレチケツメイ ツマグロキチョウ
フジ トラフジシミルリシジミコミスジ
クズ トラフジシミルリシジミコミスジウラナミシジミ
【ウツギ科】  
・ウツギ トラフジシミ
【ツツジ科】  
ヤマツツジ コツバメ
・アセビ コツバメ
【モクセイ科】  
・イボタノキ ウラゴマダラシジミ
・アオダモ ウラキンシジミ
【ベンケイソウ科】  
・ツメレンゲ クロツバメシジミ
【アブラナ科】
キャベツ モンシロチョウ
ダイコン モンシロチョウ
・ショカッサイ モンシロチョウツマキチョウ
・ワサビ スジグロシロチョウ
アブラナ モンシロチョウスジグロシロチョウ
イヌガラシ モンシロチョウスジグロシロチョウツマキチョウ
・タネツケバナ モンシロチョウスジグロシロチョウツマキチョウ
・ヤマハタザオ スジグロシロチョウヤマトスジグロシロチョウ
・イワハタザオ ヤマトスジグロシロチョウ
【クロウメモドキ科】  
・クロウメモドキ スジボソヤマキチョウ
【ブナ科】
・ブナ フジミドリシジミ
アラカシ ムラサキシジミアカシジミアイノミドリシジミ
・イチイガシ ムラサキシジミ
・ウバメガシ ウラナミアカシジミ
コナラ ムラサキシジミミズイロオナガシジミ、ウラミスシジミ、アカシジミアイノミドリシジミオオミドリシジミ、エゾミドリシジミ、ミヤマセセリ、ウスイロオナガシジミ
クヌギ ムラサキシジミミズイロオナガシジミ、ウラミスシジミ、アカシジミウラナミアカシジミムモンアカシジミアイノミドリシジミオオミドリシジミ、エゾミドリシジミ、ミヤマセセリ、クロミドリシジミ
・アベマキ ウラナミアカシジミ、エゾミドリシジミ
カシワ ムラサキシジミミズイロオナガシジミ、ウラミスシジミ、アカシジミムモンアカシジミアイノミドリシジミ、エゾミドリシジミ、ハヤシミドリシジミ、ウスイロオナガシジミ、ウラジロミドリシジミ
・ミズナラ ムラサキシジミミズイロオナガシジミ、ウラミスシジミ、アカシジミアイノミドリシジミオオミドリシジミ、エゾミドリシジミ、ミヤマセセリ、ウスイロオナガシジミ
・マテバシイ ムラサキツバメ
クリ トラフジシミムモンアカシジミ
【マンサク科】  
・マンサク ウラクロシジミ
・マルバマンサク ウラクロシジミ
【クルミ科】  
・オニグルミ オナガシジミ
【カバノキ科】  
ハンノキ ミドリシジミ
・シラカンバ エルタテハ
・ダケカンバ エルタテハキベリタテハ
【タデ科】  
・スイバ ベニシジミ
・ヒメスイバ ベニシジミ
・ギシギシ ベニシジミ
・イブキトラノオ ギンボシヒョウモン
【カタバミ科】  
カタバミ ヤマトジシミ
【ニレ科】  
エノキ テングチョウオオムラサキゴマダラチョウアカボシゴマダラシータテハヒオドシチョウ
・ハルニレ カラスシジミシータテハヒオドシチョウエルタテハ
・アキニレ シータテハ
・ケヤキ アカタテハ
【ガガイモ科】  
・イケマ アサギマダラ
【スミレ科】
パンジー ツマグロヒョウモン
・ニオイスミレ ツマグロヒョウモン
・スミレ ツマグロヒョウモン
タチツボスミレ クモガタヒョウモンミドリヒョウモンメスグロヒョウモンオオウラギンスジヒョウモンウラギンスジヒョウモンギンボシヒョウモンウラギンヒョウモンツマグロヒョウモン
・オオタチツボスミレ クモガタヒョウモンミドリヒョウモン
・ミヤマスミレ クモガタヒョウモン
・ニョイスミレ メスグロヒョウモンオオウラギンスジヒョウモンギンボシヒョウモン
・フモトスミレ ウラギンスジヒョウモン
【スイカズラ科】  
スイカズラ アサマイチモンジイチモンジチョウ
・キンギンボク イチモンジチョウ
・タニウツギ アサマイチモンジイチモンジチョウ
・ニシキウツギ イチモンジチョウ
【バラ科】  
・シモツケ フタスジチョウホシミスジ
・ホザキシモツケ フタスジチョウホシミスジ
・イワシモツケ フタスジチョウホシミスジ
ユキヤナギ フタスジチョウホシミスジ
・コデマリ フタスジチョウホシミスジ
・サルトリイバラ ルリタテハ
ウメ オオミスジカラスシジミ
・アンズ オオミスジ
スモモ オオミスジカラスシジミ
・ヤマザクラ メスアカミドリシジミ
・マメザクラ メスアカミドリシジミ
ソメイヨシノ メスアカミドリシジミ
【アジサイ科】  
・ウツギ トラフジシミ
【イラクサ科】
・イラクサ サカハチチョウアカタテハ
・カラムシ アカタテハヒメアカタテハ
・アカソ サカハチチョウ
コアカソ シータテハサカハチチョウ
・ホソバイラクサ キタテハクジャクチョウアカタテハ
【ユリ科】  
・サルトリイバラ ルリタテハ
・ホトトギス ルリタテハ
ヤマユリ ルリタテハ
オニユリ ルリタテハ
【クワ科】  
・カナムグラ キタテハ
・カラハナソウ キタテハシータテハクジャクチョウ
【カエデ科】  
・イロハモミジ ミスジチョウ
・ヤマモミジ ミスジチョウ
・オオモミジ ミスジチョウ
【ヤナギ科】  
・ネコヤナギ コムラサキ
・オノエヤナギ コムラサキ
・カワヤナギ コムラサキ
シダレヤナギ コムラサキヒオドシチョウ
【キク科】  
ハハコグサ ヒメアカタテハ
・ヨモギ ヒメアカタテハ
・ゴボウ ヒメアカタテハ
【オオバコ科】  
オオバコ ヒメアカタテハ
【アワブキ科】  
・アワブキ スミナガシ、アオバセセリ
・ミヤマハハソ スミナガシ、アオバセセリ
【ヤマノイモ科】  
ヤマノイモ ダイミョウセセリ
・ナガイモ ダイミョウセセリ
【イネ科】
ススキ ギンイチモンジセセリジャノメチョウコジャノメヒメジャノメクロコノマチョウヒメウラナミジャノメホソバセセリヒメキマダラセセリコキマダラセセリヤマキマダラヒカゲキマダラセセリイチモンジセセリミヤマチャバネセセリチャバネセセリ
・チガヤ ギンイチモンジセセリイチモンジセセリミヤマチャバネセセリチャバネセセリ
・エノコログサ イチモンジセセリキマダラセセリ
アキノエノコログサ キマダラセセリ
・ヒメノガリヤス ツマジロウラジャノメ、ウラジャノメコキマダラセセリ、スジグロチャバネセセリ、ヘリグロチャバネセセリ
・カモジグサ スジグロチャバネセセリ、ヘリグロチャバネセセリ
・ヤマカモジグサ スジグロチャバネセセリ、ヘリグロチャバネセセリ
イネ ヒメジャノメイチモンジセセリチャバネセセリ
・ヨシ クロコノマチョウギンイチモンジセセリミヤマチャバネセセリチャバネセセリ
・アズマネザサ ヒカゲチョウクロヒカゲサトキマダラヒカゲヤマキマダラヒカゲヒメジャノメコチャバネセセリキマダラセセリオオチャバネセセリ
・ミヤコザサ ヒカゲチョウクロヒカゲサトキマダラヒカゲヤマキマダラヒカゲヒメキマダラヒカゲコチャバネセセリオオチャバネセセリ
・ヤダケ ヒカゲチョウクロヒカゲ
・クマザサ ヒカゲチョウクロヒカゲサトキマダラヒカゲコチャバネセセリキマダラセセリオオチャバネセセリ
・チシマザサ サトキマダラヒカゲヤマキマダラヒカゲヒメキマダラヒカゲ
・チヂミザサ ヒメジャノメコジャノメヒメウラナミジャノメヒメキマダラセセリ
・マダケ サトキマダラヒカゲキマダラセセリ
・メダケ ヒカゲチョウクロヒカゲサトキマダラヒカゲコチャバネセセリオオチャバネセセリ
【カヤツリグサ科】  
・ヒカゲスゲ ジャノメチョウウラジャノメコキマダラセセリ
・カサスゲ ヒメジャノメヒメキマダラセセリ
・ヒメスゲ ヒメジャノメ
・ショウジョウスゲ ジャノメチョウウラジャノメヒメウラナミジャノメ


☆ムラサキケマン(ケシ科)

ムラサキケマン(ケシ科) 2016年4月16日午後、「北本自然観察公園」(北本市)で撮影
ムラサキケマン(片喰)
学 名 Corydalis incisa
科 名 ケシ科 
花 期 4月~6月
分 布 日本各地
大きさ 30-50cm
生育場所 林縁、草地など

<特徴>
 1年草で、茎は直立して角張り、葉は2回3出複葉で細かい切れ込みがあります。茎の上部に4から12個の紅紫色の筒状の花をつけます。

<名前の由来>
 花を仏殿に飾る華鬘(ケマン)に見立て、紫(ムラサキ)色をしているので、この名がつきました。

<備考>
 別名ヤブケマン。

<食餌植物としている蝶>
 ウスバシロチョウ


ナツミカン(ミカン科)

ナツミカン(ミカン科) 2016年12月10日午前、青木公園(川口市)で撮影
ナツミカン(夏蜜柑)
学 名 Citrus natsudaidai
科 名 ミカン科 
花 期 5月~6月
分 布 本州、四国、九州
大きさ 3-5m
生育場所 畑、庭、公園など

<特徴>
 日本では、江戸時代中期から栽培されるようになった常緑樹です。葉は柄があって互生し、晩春から初夏に葉腋に白色の小花をつけます。果球は大きく、晩秋に実をつけますが、果皮が厚く、酸味が強いものの、生食や加工して食用にします。

<名前の由来>
 翌年の初夏になると酸味が減じることから、夏(ナツ)に味わえる蜜柑(ミカン)類ということから名前の由来となっています。

<備考>
 マーマレードの材料になったり、果皮を砂糖漬にして食べたりします。

<食餌植物としている蝶>
 アゲハチョウナガサキアゲハクロアゲハモンキアゲハカラスアゲハ


カラタチ(ミカン科)

カラタチ(ミカン科) 2016年9月3日午後、「環境科学国際センター」生態園(加須市)で撮影
カラタチ(枳殻、枸橘)
学 名 Poncirus trifoliata
科 名 ミカン科 
花 期 4月~5月
分 布 日本各地
大きさ 2-4m
生育場所 生垣、庭、公園など

<特徴>
 落葉低木で、枝に強い棘が互生し、葉は翼柄があって互生します。春に葉に先立って白色の花をつけます。果球は、秋に黄色に熟しますが、食用には向きません。

<名前の由来>
 唐(カラ)の国から来た橘(タチバナ)の意味で、それが略されました。

<備考>
 昔から、鋭い棘で外敵の侵入を防ぐために、生垣に利用されてきました。

<食餌植物としている蝶>
 アゲハチョウナガサキアゲハクロアゲハカラスアゲハオナガアゲハ


ニンジン(セリ科)

ニンジン(セリ科) 2016年10月26日午後、狭山丘陵(入間市)で撮影
ニンジン(人参)
学 名 Daucus carota
科 名 セリ科 
花 期 6月~7月
分 布 日本各地
大きさ 0.5-1m
生育場所 畑など

<特徴>
 畑に栽培される2年草で、多肉で黄赤色の根が地中にまっすぐ伸びます。根出葉を多数出していて、長い葉柄があり、葉身は細かく裂けています。初夏に、大型の複散形花序をなし、多数の白色5弁の小花をつけます。果実は、小さな長楕円形で多数の短い刺があり、2分果からなっています。

<名前の由来>
 根を人の頭や手足に見立てて、「人参(にんじん)」と呼んだのが由来だとされています。

<備考>
 昔から、根を食用とするために栽培されてきました。以前は、葉も食用にされていました。

<食餌植物としている蝶>
 キアゲハ


クスノキ(クスノキ科)

クスノキ(クスノキ科) 2016年12月10日昼、木曽呂(川口市)で撮影
クスノキ(樟、楠)
学 名 Cinnamomum camphora
科 名 クスノキ科 
花 期 5月~6月
分 布 本州(関東以西)、四国、九州
大きさ 10-30m
生育場所 山地、公園、街路樹など

<特徴>
 常緑高木で、葉は長い葉柄があって互生し、革質の先の尖った楕円形で、表面には光沢があります。晩春に散形円錐花序を出して、白く淡い黄緑色の小さな花をつけます。実は球形で、黒く熟しますが、食用には適しません。

<名前の由来>
 全体に芳香があることから、臭し(くすし)から来たという説と樟脳を取ることから薬(くすり)の木が語源となったという説があります。

<備考>
 枝葉を蒸留して樟脳(しょうのう)を作り、防虫剤として利用する他、材は建築、船舶、家具、彫刻等に用いられました。近年は、枝葉がよく繁り、病虫害が少なく、生育しやすいので公園の緑化樹や街路樹として多く植栽されています。

<食餌植物としている蝶>
 アオスジアゲハ


トチノキ(トチノキ科)

トチノキ(トチノキ科) 2016年9月5日午後、「彩の国ふれあいの森」(秩父市)で撮影
トチノキ(栃の木)
学 名 Aesculus turbinata
科 名 トチノキ科 
花 期 5月~6月
分 布 北海道、本州、四国、九州
大きさ 10-30m
生育場所 山地、公園、街路樹など

<特徴>
 落葉高木で、葉は長い葉柄があって対生し、倒卵形の5~7枚の小葉からなる手のひら状の複葉で、裏面に赤褐色の毛があります。春から初夏に枝先に円錐花序を直立し、白色で紅斑のある花をつけます。実は倒卵球形で、熟すと三つに裂けます。

<名前の由来>
 諸説あってはっきりしませんが、実がたくさん生るため、”ト”は「十」、”チ”は「千」から来ているという説や朝鮮語でドングリの意味である totol(トットリ)から来ているという説もあります。

<備考>
 材は、建築材に用いられるほか、器具、楽器等に利用されます。実は、古来から食用にされてきました。

<食餌植物としている蝶>
 スギタニルリシジミ


☆ミズキ(ミズキ科)

ミズキ(ミズキ科) 2016年9月3日午後、「環境科学国際センター」生態園(加須市)で撮影
ミズキ(水木)
学 名 Cornus controversa
科 名 ミズキ科 
花 期 5月~6月
分 布 北海道、本州、四国、九州
大きさ 10-15m
生育場所 山地、公園など

<特徴>
 落葉高木で、幹は直立し、葉は有柄で互生し、枝先に集まって裏は白くなります。春から初夏に枝先を分枝し、花穂をなし、白色の花を密につけます。

<名前の由来>
 早春に芽をふく時、地中から多量の水を吸い上げ、枝を切ると、水のような樹液がでることから、この名がつきました。

<備考>
 材は、建築材に用いられるほか、細工物、器具、下駄、印鑑等に利用されます。

<食餌植物としている蝶>
 ルリシジミスギタニルリシジミ


ハハコグサ(キク科)

ハハコグサ(キク科) 2005年5月15日昼に芝川の土手(さいたま市緑区)で撮影
ハハコグサ(母子草)
学 名 Gnaphalium affine
科 名 キク科 
花 期 3月~6月
分 布 日本各地
大きさ 15-30cm
生育場所 道端、畑

<特徴>
 2年草で、花は黄色で、小さな花が集まった頭状花を数個集合してつくっています。葉は互生し、へらのような形あるいは倒披針形をしています。

<名前の由来>
 葉や茎等が白い綿毛に覆われている様が、母親が子を包みこむように見えることから、母子草と呼ばれるようになったと言う説や綿毛のけばだつ(ほおけだつ)様子から、「ほほける草」、「ははける草」がハハコグサに転訛したとか、昔はヨモギの代わりに葉を餅に入れて草団子にして食べたので、「葉っこ草」が訛って、この名がついたという説などいくつかあります。

<備考>
 ムギ類の栽培とともに伝来した史前帰化植物。春の七草の1つで、別名ホウコグサ,ゴギョウ,オギョウ

<食餌植物としている蝶>
 ヒメアカタテハ


オオバコ(オオバコ科)

オオバコ(オオバコ科) 2005年5月22日午前に芝川の土手(川口市)で撮影
オオバコ(大葉子) 
学 名 Plantago asiatica
科 名 オオバコ科 
花 期 4月~9月
分 布 日本各地
大きさ 10-30cm
生育場所 道端、畑、山地

<特徴>
 多年草で、棒状の花茎に小花をびっしりと付け、紫色に見えるのは雄しべの葯(やく)で、下から順に咲き上がっていきます。葉は根生し、柄は長く、広卵形で、葉脈がほぼ平行に走っています。また、薬用になることでも知られています。

<名前の由来>
 葉が広く大きいことから「大葉子(おおばこ)」と命名されました。

<備考>
 漢方薬としては「車前(しゃぜん)」といい、牛車や馬車が通る道端に多く見られることから名付けられたものです。

<食餌植物としている蝶>
 ヒメアカタテハ


☆カタバミ(カタバミ科)

カタバミ(カタバミ科) 2005年5月14日昼に芝川の土手(さいたま市緑区)で撮影
カタバミ(片喰)
学 名 Oxalis corniculata
科 名 カタバミ科 
花 期 5月~9月
分 布 日本各地
大きさ 10-20cm
生育場所 花壇、庭先、道端

<特徴>
 多年草で、花は直径8mm位の5弁の黄色、散形状に咲きます。葉は、長い柄の先に3枚のハート形の小葉で細かい毛があります。

<名前の由来>
 葉が睡眠運動をし、夕方になって閉じると一片が欠けて見えるので、この名前がついたと言われています。

<備考>
 食用可能で、薬用効能がありますが、毒性も持っています。

<食餌植物としている蝶>
 ヤマトジシミ


カラスノエンドウ(マメ科)

カラスノエンドウ(マメ科) 2005年5月14日昼に芝川の土手(さいたま市緑区)で撮影
カラスノエンドウ(烏野豌豆)
学 名 Vicia angustifolia var.segetalis
科 名 マメ科 
花 期 4月~6月
分 布 本州~沖縄
大きさ 70-150cm
生育場所 道端、土手

<特徴>
 つる性の2年草で、1~3個の紅紫色で蝶の形をした花を付け、葉は8~16枚の小葉からなる複葉です。茎は根元で分かれ四角柱状で、巻きひげによって他の植物と絡んで立ち上がります。豆のような果実を結び、中に10個位の種が出来ます。

<名前の由来>
 スズメノエンドウより大きいので、「スズメ」より大きい「カラス」を冠した名前になったとのことですが、完熟すると鞘や種が黒くなるのでこの名が付いたという説もあります。

<備考>
 別名:ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)

<食餌植物としている蝶>
 ツバメシジミ


レンゲソウ(マメ科)

レンゲソウ(マメ科) 2005年5月14日昼、見沼たんぼ(さいたま市緑区)で撮影
レンゲソウ(蓮華草)
学 名 Astragalus sinicus
科 名 マメ科 
花 期 3月~5月
分 布 日本各地
大きさ 10-30cm
生育場所 畑地、水田、野原

<特徴>
 2年草で、花は紅紫色で、長さ1~1.5cm位の蝶形の花を7~9個輪状につけます。葉は、4~5対の小葉からなる奇数羽状複葉、小葉は9~11枚で構成され卵形です。

<名前の由来>
 小花が集まって咲く様子が蓮の花に似ていることからレンゲソウ(蓮華草)となったものですが、ゲンゲはレンゲソウがなまったものと言われています。

<備考>
 中国:原産の帰化植物です。別名:レンゲ(蓮華)、ゲンゲ

<食餌植物としている蝶>
 モンキチョウツバメシジミ


シロツメクサ(マメ科)

シロツメクサ(マメ科) 2005年5月14日昼に芝川の土手(さいたま市緑区)で撮影
シロツメクサ(白詰草)
学 名 Trifolium repens
科 名 マメ科 
花 期 4月~7月
分 布 日本各地
大きさ 15-30cm
生育場所 道端、野原

<特徴>
 多年草で、花は小さな白い蝶形のものが集まり、球状の花序を形成していて、一つの丸い花のように見えます。葉は、3つの小葉からなりますが、時に4つ葉のものが見られます。

<名前の由来>
 江戸時代にオランダからガラスの器を運んだとき、割れないように詰め物としてこれが入っていたからと言われています。

<備考>
 ヨーロッパ原産の帰化植物で、牧草として入り、日本各地に広がりました。別名:クローバー

<食餌植物としている蝶>
 モンキチョウツバメシジミ



ヤマハギ(マメ科)

ヤマハギ(マメ科) 2016年10月6日午後、「八丁湖公園」(比企郡吉見町)で撮影
ヤマハギ(山萩)
学 名 Lespedeza bicolor
科 名 マメ科 
花 期 7月~10月
分 布 北海道、本州、四国、九州
大きさ 2m前後
生育場所 山地、野原、庭、公園など

<特徴>
 落葉半低木で、茎は束生し、分枝します。葉は互生し、柄と毛があり、夏から秋に多数の紅紫色の蝶形花をつけます。

<名前の由来>
 ハギについては、諸説ありますが、毎年古い株から芽を出す意味の生芽(ハエキ)から転訛したというのが有力です。その中で、山に多く見られるというような意味です。

<備考>
 秋の七草の一つ「ハギ」として知られています。

<食餌植物としている蝶>
 ルリシジミツバメシジミ
キタキチョウ



マルバハギ(マメ科)

マルバハギ(マメ科) 2016年10月6日午後、「八丁湖公園」(比企郡吉見町)で撮影
マルバハギ(丸葉萩)
学 名 Lespedeza cyrtobotrya
科 名 マメ科 
花 期 8月~10月
分 布 北海道、本州、四国、九州
大きさ 1.5-2m
生育場所 山地、野原、庭、公園など

<特徴>
 落葉半低木で、枝を多く分枝し、下垂します。葉は互生し、柄があり、裏面に毛があり、夏から秋に短い花序を出し、紅紫色の蝶形花をつけます。

<名前の由来>
 諸説ありますが、毎年古い株から芽を出す意味の生芽(ハエキ)から転訛したというのが有力です。その中で、葉が丸いので丸葉(マルバ)が付きました。

<備考>
 秋の七草の一つ「ハギ」として知られています。

<食餌植物としている蝶>
 
ルリシジミキタキチョウ



フジ(マメ科)

フジ(マメ科) 2015年4月29日午後、「八丁湖公園」(比企郡吉見町)で撮影
フジ(藤)
学 名 Wisteria floribunda
科 名 マメ科 
花 期 4月~6月
分 布 本州、四国、九州
大きさ 3-10m
生育場所 山地、野原、庭、公園など

<特徴>
 つる性植物で、幹は長くのびて分岐し、他のものに巻き付きます。葉は互生し、柄があり、花はうすい紫色で、花序は長くしだれて、20~80cmにもなります。

<名前の由来>
 中国名の「紫藤」からという説や花が「吹き散る」から転訛したという説などがあり、はっきりしません。

<備考>
 別名ノダフジとも呼ばれ、観賞用に栽培されて、昔から藤棚などが造られていました。

<食餌植物としている蝶>
 トラフジシミルリシジミコミスジ



クズ(マメ科)

クズ(マメ科) 2016年8月31日午後、「さいたま緑の博物館」(入間市)で撮影
クズ(葛)
学 名 Pueraria lobata
科 名 マメ科 
花 期 8月~9月
分 布 北海道、本州、四国、九州
大きさ 3-10m
生育場所 山地、野原、庭、公園など

<特徴>
 山野に生える多年草で、つる性植物で、長さ10m以上になることもあります。葉には、長い柄と毛があり、秋には長い花茎を出して、その先に紅色の花を3~10個つけます。

<名前の由来>
 かつて大和国の国栖(くず)地方(現在の奈良県吉野町)が、葛粉の産地であったことに由来します。

<備考>
 根に含まれるデンプンをとって葛粉として用いられ、漢方薬(葛根)の原料にもなっています。また、秋の七草の一つとしても有名です。

<食餌植物としている蝶>
 トラフジシミルリシジミコミスジウラナミシジミ



ヤマツツジ(ツツジ科)

ヤマツヅジ(ツツジ科) 2015年4月29日午後、「八丁湖公園」(比企郡吉見町)で撮影
ヤマツツジ(山躑躅)
学 名 Rhododendron kaempferi
科 名 ツツジ科 
花 期 4月~6月
分 布 北海道南部、本州、四国、九州
大きさ 1-5m
生育場所 低山地の疎林内、林縁、尾根筋、草原など

<特徴>
 半落葉低木で、葉は互生し、枝先に集まってつき、花は、赤色でロート状のものが2~3個つきます。

<名前の由来>
 諸説あってはっきりしませんが、花が「筒(ツツ)」状になっていることからきているという説、花が次々に連なり咲く様子から「続き咲き木(ツヅキサキギ)」と呼ばれるようになったことから来ているという説、「綴り茂る(ツヅリシゲル)」から来ているという説などがあります。その中で、山地に見られることから「ヤマ」が付きました。

<備考>
 日本の野生ツツジの代表種です。

<食餌植物としている蝶>
 コツバメ



イヌガラシ(アブラナ科)

イヌガラシ(アブラナ科) 2005年5月14日昼に芝川の土手(川口市)で撮影
イヌガラシ(犬芥子)
学 名 Rorippa indica
科 名 アブラナ科 
花 期 4月~9月
分 布 日本各地
大きさ 10-50cm
生育場所 道端、草地

<特徴>
 多年草で、花は小さく、4弁の黄色の十字状花が総状につきます。を開きます。葉は長楕円形仲間のスカシタゴボウがよく似ていますが、イヌガラシの実が細長いのに対してスカシタゴボウの実は太くて短くなっています。

<名前の由来>
 からしの原料となるカラシナに似ていますが、イヌとついているのは役に立たないという意味です。

<備考>
 日本在来種です。別名:ノガラシ(野芥子)

<食餌植物としている蝶>
 モンシロチョウスジグロシロチョウツマキチョウ



キャベツ(アブラナ科)

キャベツ(アブラナ科) 2016年5月5日午後に狭山丘陵(入間市)で撮影
キャベツ
学 名 Brassica oleracea L. var. capitata
科 名 アブラナ科 
花 期 4月~5月
分 布 日本各地
大きさ 30-100cm
生育場所 畑など

<特徴>
 多年草で、葉は大きくて丸く、互生します。 葉が20枚ほどになると結球するようになり、 直径約20センチの偏球形となります。春に黄色い花を付けますが、栽培品種としては、1年性植物として収穫してしまいます。

<名前の由来>
 名前は英語(Cabbage)に由来しますが、さらにその語源は、フランス語の頭を意味するcabocheから来ています。

<備考>
 別名:かんらん(甘藍),タマナ(玉菜)

<食餌植物としている蝶>
 モンシロチョウ


ダイコン(アブラナ科)

ダイコン(アブラナ科) 2016年11月15日午後に狭山丘陵(入間市)で撮影
ダイコン(大根)
学 名 Raphanus sativus var. longipinnatus
科 名 アブラナ科 
花 期 4月~5月
分 布 日本各地
大きさ 30-100cm
生育場所 畑など

<特徴>
 2年草で、根は大きくて円柱形で、土中に直立するのが普通で、食用にします。葉は束生し、白色の粗毛があり、白色の中央主脈があります。春に、薄紫色の十字状花を付けます。

<名前の由来>
 名前は、根が大きいことに由来します。

<備考>
 春の七草の一つ、スズシロ(清白)として知られています。

<食餌植物としている蝶>
 モンシロチョウ


アブラナ(アブラナ科)

アブラナ(アブラナ科) 2005年5月15日昼に芝川の土手(川口市)で撮影
アブラナ(油菜)
学 名 Brassica campestris
科 名 アブラナ科 
花 期 4月~5月
分 布 日本各地
大きさ 1m位
生育場所 道端、野原、畑

<特徴>
 2年草で、花は黄色の4弁十字花が、総状花序となっています。葉は淡緑色でやわらかく、基部では柄がありますが、上部では無柄です。

<名前の由来>
 油を取ることからこの名で呼ばれています。

<備考>
 別名:ナノハナ(菜の花),ナタネ(菜種)

<食餌植物としている蝶>
 モンシロチョウスジグロシロチョウ


スイカズラ(スイカズラ科)

スイカズラ(スイカズラ科) 2005年5月29日午前、「川口自然公園」(川口市)で撮影
スイカズラ(吸い葛)
学 名 Lonicera japonica
科 名 スイカズラ科 
花 期 5月~7月
分 布 日本各地
大きさ 常緑の木本性ツル植物
生育場所 日の当たる平地、丘陵地、低山帯までの路傍、原野、丘陵、川岸など

<特徴>
 常緑の木本性ツル植物で、茎は右巻きに長く伸び、若い枝は毛が密生します。葉は対生し、ごく短い柄があり、葉身は卵形から長楕円形です。花は甘い香りがあり、花弁は筒状で、先の方は上下2枚の唇状に分かれ上唇はさらに4裂しています。果実は径5~7mmの液果で9~12月に黒熟します。

<名前の由来>
 昔は、花を口にくわえて甘い蜜を吸うことが行なわれたので、そのことに由来しています。

<備考>
 
蕾は、金銀花という生薬、秋から冬の間の茎葉は、忍冬という生薬として、漢方薬としても利用されます。

<食餌植物としている蝶>
 アサマイチモンジイチモンジチョウ 


パンジー(スミレ科)

パンジー(スミレ科) 2005年5月29日午前、「見沼自然の家」(川口市)で撮影
パンジー
学 名 Viola × wittrockiana
科 名 スミレ科 
花 期 10月~5月
分 布 日本各地
大きさ 10-20cm
生育場所 庭や公園など

<特徴>
 サンシキスミレの亜種ともされる園芸品種で、花は、赤、紫、白青、黒など多彩な色彩があります。秋蒔きの一年草で、日当たりが良いところで成長します。

<名前の由来>
 フランス語のパンセ(pensée)、日本語では「思想」を意味する単語にちなんでいるとのことです。花が人間の顔に似ていて、夏には、花が前に傾いて、深く思いふけっているように見えることから連想されたそうです。

<備考>
 
1800年代に北欧で、交配して生まれ、その後日本に持ち込まれました。

<食餌植物としている蝶>
 ツマグロヒョウモン 


タチツボスミレ(スミレ科)

タチツボスミレ(スミレ科) 2016年4月10日午前、「八丁湖公園」(比企郡吉見町)で撮影
タチツボスミレ(立坪菫)
学 名 Viola grypoceras
科 名 スミレ科 
花 期 4月~5月
分 布 日本各地
大きさ 10-30cm
生育場所 日当たりのよい林縁、土手、庭、公園など

<特徴>
 多年草で、春に径約2.5cmの淡紫色の花をつけます。葉はハート形で葉柄があり、縁に低い鋸歯がみられます。茎は、花期には短いものの、後に伸びてきます。

<名前の由来>
 「タチ」は、最盛期に立ち上がることから来ていて、庭を意味する「ツボ(坪)」は、どこでも普通に見られることを意味します。 スミレの名称は、大工仕事の墨入れに使う「墨斗(すみつぼ)」に、花の形が似ていることから来ているというのが通説です。

<備考>
 
スミレの仲間(スミレ属)は、種類が多く似ているものが多いので、しきべつがたいへんです。

<食餌植物としている蝶>
 クモガタヒョウモンミドリヒョウモンメスグロヒョウモンオオウラギンスジヒョウモンウラギンスジヒョウモンギンボシヒョウモンウラギンヒョウモンツマグロヒョウモン


アラカシ(ブナ科)

アラカシ(ブナ科) 2016年12月10日昼、「園芸植物園」(さいたま市緑区)で撮影
アラカシ(粗樫)
学 名 Quercus glauca
科 名 ブナ科 
花 期 4月~5月
分 布 本州(中部以南)、四国、九州
大きさ 10-20m
生育場所 山地、雑木林、公園など

<特徴>
 常緑広葉樹の高木で、樹皮は暗緑色で、葉は有柄で互生し、裏面は灰白緑色です。雌雄同株で、春に開花し、新枝の基部に多数の黄褐色の尾状花序をなし、秋には実(ドングリ)が熟します。

<名前の由来>
 「カシ」は、木が堅いことから由来し、シラカシに比べて僅かに粗野であるという意味で「アラ」が付いたと言われています。

<備考>
 
生け垣や庭木として使われます。材は、器具、建築、パルプ、木炭の原料、シイタケの原木に使用されてきました。ドングリを食用としてきた地域もあります。

<食餌植物としている蝶>
 ムラサキシジミアカシジミアイノミドリシジミ


コナラ(ブナ科)

コナラ(ブナ科) 2016年8月31日午後、「さいたま緑の博物館」(入間市)で撮影
コナラ(小楢)
学 名 Quercus serrata
科 名 ブナ科 
花 期 4月~5月
分 布 北海道、本州、四国、九州
大きさ 10-20m
生育場所 山地、雑木林、公園など

<特徴>
 落葉性高木で、幹は直立して分枝し、葉は有柄で互生し、裏面は灰白色をおびます。雌雄同株で、春に開花し、新枝の基部に多数の黄褐色の尾状花序をなし、秋には実(ドングリ)が熟します。

<名前の由来>
 諸説あってはっきりしませんが、厳しい冬、残った葉が寒風に鳴るので「鳴木」から来たという説や葉が広く平らなさまを「ならす」といったことから来たという説などがあります。その中で、ミズナラを大楢といったことに対して、コナラ(小楢)というようになったとのことです。

<備考>
 
材は木炭の原料や、シイタケの原木に使用されてきました。ドングリを食用としてきた地域もあります。

<食餌植物としている蝶>
 ムラサキシジミミズイロオナガシジミ、ウラミスシジミ、アカシジミアイノミドリシジミオオミドリシジミ、エゾミドリシジミ、ミヤマセセリ、ウスイロオナガシジミ


クヌギ(ブナ科)

クヌギ(ブナ科) 2016年9月3日午後、「環境科学国際センター」生態園(加須市)で撮影
クヌギ(櫟、椚、橡、栩)
学 名 Quercus acutissima
科 名 ブナ科 
花 期 4月~5月
分 布 本州、四国、九州
大きさ 15-20m
生育場所 山地、雑木林など

<特徴>
 落葉性高木で、樹皮に深い裂け目があり、新枝は有毛で、葉は有柄で互生します。雌雄同株で、春に開花し、新枝の基部に多数の黄褐色の尾状花序をなして下垂し、秋には実(ドングリ)が熟します。

<名前の由来>
 諸説あってはっきりしませんが、国木(クニキ)または食之木(クノキ)、薪の木(クノキ)、栗似木(クリニキ)からきたという説があります。

<備考>
 
材質が硬いので、建築材や器具材、船舶材等に使われます。また、薪やシイタケの原木としても用いられます。

<食餌植物としている蝶>
 ムラサキシジミミズイロオナガシジミ、ウラミスシジミ、アカシジミウラナミアカシジミムモンアカシジミアイノミドリシジミオオミドリシジミ、エゾミドリシジミ、ミヤマセセリ、クロミドリシジミ


カシワ(ブナ科)

カシワ(ブナ科) 2017年8月3日午後、「さいたま市立園芸植物園」(さいたま市緑区)で撮影
カシワ(柏、槲)
学 名 Quercus dentata
科 名 ブナ科 
花 期 4月~5月
分 布 本州、四国、九州
大きさ 15-20m
生育場所 山地、雑木林など

<特徴>
 落葉性高木で、幹は分枝します。葉は有毛で、葉は有毛で短い柄があり互生します。雌雄同株で、晩春に開花し、新枝の基部に多数の黄褐色の尾状花序をなして下垂し、秋には実(ドングリ)が熟します。

<名前の由来>
 古くは葉が蒸し焼きに使われたことから、「炊(かし)く葉」から来ているとする説が有力です。

<備考>
 昔から、防風林として利用され、庭木としても植えられていますが、縁起木とされているところもあります。また、カシワの葉で餅を包んだ「柏餅」は広く食されています。

<食餌植物としている蝶>
 ムラサキシジミミズイロオナガシジミ、ウラミスシジミ、アカシジミムモンアカシジミアイノミドリシジミ、エゾミドリシジミ、ハヤシミドリシジミ、ウスイロオナガシジミ、ウラジロミドリシジミ


クリ(ブナ科)

クリ(ブナ科) 2016年6月7日午後、「さいたま緑の博物館」(入間市)で撮影
クリ(栗)
学 名 Castanea crenata
科 名 ブナ科 
花 期 5月~6月
分 布 北海道南西部、本州、四国、九州
大きさ 10-20m
生育場所 山地、畑地、庭など

<特徴>
 落葉性高木で、幹は直立し、葉は有柄で互生します。雌雄同株で、初夏に新枝の基部に多数の黄白色の尾状花序をなします。

<名前の由来>
 諸説あってはっきりしませんが、果皮の色が黒いことから転訛したという説、実が石のようなので、石を意味する古語「クリ」から来ているという説、朝鮮語の栗(kul)から来ているという説などがあります。

<備考>
 
古来から、種子を食用としてきたので、多く栽培されています。

<食餌植物としている蝶>
 トラフジシミムモンアカシジミ


☆ユキヤナギ(バラ科) 

ユキヤナギ(バラ科) 2016年3月20日午後、「秋ヶ瀬公園」(さいたま市桜区)で撮影
ユキヤナギ(雪柳)
学 名 Spiraea thunbergii
科 名 バラ科 
花 期 3~5月頃
分 布 本州の関東以西、四国、九州
大きさ 1-2m
生育場所 川沿い、岩礫地、庭、公園など

<特徴>
 落葉低木で、束生し、枝は細長く、葉は互生します。花弁は5枚で、白色の小花が枝上に連続して並び、穂状になって、とてもみごとです。

<名前の由来>
 花の様子が雪のように見え、また枝や葉の形が柳のような形に見えることからこの名がつけられました。

<備考>
 別名  「小米花(こごめばな)」ともいいます。

<食餌植物としている蝶>
 フタスジチョウホシミスジ


ソメイヨシノ(バラ科) 

ソメイヨシノ(バラ科) 2002年3月27日午前、見沼通船堀(さいたま市緑区)で撮影
ソメイヨシノ(染井吉野)
学 名 Cerasus × yedoensis (Matsum.) A.V.Vassil. ‘Somei-yoshino’
科 名 バラ科 
花 期 3~4月頃
分 布 日本各地
大きさ 10-15m
生育場所 庭や街路、河川の土手、公園など

<特徴>
 花弁は5枚で葉が出る前の春に花が開き、満開となるのが特徴です。花の色は、開花時めは淡紅色で満開になると白色に近づきます。花だけが密生して樹体全体を覆い、花も大きくて見映えがします。

<名前の由来>
 江戸末期~明治初期に、江戸の染井村の植木職人達によって作られ、桜の名所吉野山にちなんで「吉野桜」として売られましたが、後に染井村の名を取り「染井吉野」と命名されたとのことです。

<備考>
 エドヒガン系の桜と日本固有種のオオシマザクラの交配で生まれた日本産の園芸品種で、日本中に植栽されて広まり、桜の代名詞のようになりました。

<食餌植物としている蝶>
 メスアカミドリシジミ


ウメ(バラ科) 

ウメ(バラ科) 2005年3月26日午前、宝登山(秩父郡長瀞町)で撮影
ウメ(梅)
学 名 Prunus mume
科 名 バラ科 
花 期 2~4月頃
分 布 日本各地
大きさ 6m前後
生育場所 庭や畑

<特徴>
 落葉高木で、幹は密に分枝し、早春に5枚の花弁のある白や赤の花を葉に先立って咲かせます。葉は互生で先がとがった卵形で、周囲が鋸歯状です。

<名前の由来>
 「ウメ」の語源には諸説ありますが、中国語の「梅」(マイあるいはメイ)から転訛したというのも有力です。

<備考>
 果実を梅干し、梅酒、梅酢などにして食用としてきたので、古くから庭や畑に植栽されてきました。

<食餌植物としている蝶>
 オオミスジカラスシジミ


☆コアカソ(イラクサ科)

コアカソ(イラクサ科) 2012年9月9日午後、中津川(秩父市)で撮影
コアカソ(小赤麻)
学 名 Boehmeria spicata
科 名 イラクサ科 
花 期 8~10月頃
分 布 本州、四国、九州
大きさ 1-1.5m
生育場所 山地、林縁、道端、畑地など

<特徴>
 落葉半低木で、葉は対生し、長さ4-8cm。鋸歯がはっきりし、葉の先端は尾状に伸び、赤色の長柄があります。紅緑色の細花をつけ、長い花序を形成し、頭を垂れます。

<名前の由来>
 茎の繊維が丈夫でなので、古来から繊維を取り出して麻のように布として利用し、茎や葉柄が赤みを帯びることから「赤麻(アカソ)」となり、その中でもアカソより葉が小さいので、名前の由来となりました。

<備考>
 有性生殖します。

<食餌植物としている蝶>
 
シータテハサカハチチョウ


☆ヤマユリ(ユリ科)

ヤマユリ(ユリ科) 2013年7月20日午後、中津川(秩父市)で撮影
ヤマユリ(山百合)
学 名 Lilium auratum
科 名 ユリ科 
花 期 7~8月頃
分 布 本州中部以北
大きさ 1-1.5m
生育場所 山地の林縁、草地

<特徴>
 茎は直立し、葉は茎に散在し、短柄があります。花は、花弁が外に弧を描きながら広がっていて、強い香気があり、1~10個程度を咲かせます。その大きさは直径20cm以上でユリ科の中でも最大級で、とても見映えがします。花の色は白色ですが、花弁の内側中心には黄色の筋、紅色の斑点が目立ちます。

<名前の由来>
 「ユリ」の語源には諸説ありますが、風に吹かれて花がゆらゆらと「揺れる」ことから転訛したというのも有力です。その中で、山中に生えるものであることからつけられました。

<備考>
 りん茎を食用にします。

<食餌植物としている蝶>
 ルリタテハ


☆オニユリ(ユリ科)

オニユリ(ユリ科) 2016年7月14日午前、芝川沿い(川口市)で撮影
オニユリ(鬼百合)
学 名 Lilium lancifolium
科 名 ユリ科 
花 期 7~8月頃
分 布 北海道~九州
大きさ 1-2m
生育場所 平地から低山地

<特徴>
 多年草で、りん茎は白色、茎は直立し、紫褐色で細かい斑点があり、葉は互生し、小さめの披針形です。夏に花をつけ、花弁はオレンジ色で暗紫色の斑点があり、強く反り返るのが特徴です。種子は作りませんが、葉の付け根に暗紫色のむかごを作ります。

<名前の由来>
 「ユリ」の語源には諸説ありますが、風に吹かれて花がゆらゆらと「揺れる」ことから転訛したというのも有力です。その中で、鬼のように大きい、または、花の姿が鬼のように見えるということから名付けられました。

<備考>
 。リン茎はヤマユリと同様、食用にします。

<食餌植物としている蝶>
 ルリタテハ


☆シダレヤナギ(ヤナギ科)

シダレヤナギ(ヤナギ科) 2006年7月26日昼、「秋ヶ瀬公園」(さいたま市桜区)で撮影
シダレヤナギ(枝垂柳)
学 名 Salix babylonica
科 名 ヤナギ科 
花 期 3~4月頃
分 布 日本各地
大きさ 10-20m
生育場所 街路、公園、川沿いなど

<特徴>
 落葉樹で、枝は柔軟なので、垂れ下がります。葉は、有柄で、互生し、裏面は白味を帯び、花は、早春に黄緑色の花穂をつけます。

<名前の由来>
 「ヤナギ」の語源には諸説あって、はっきりしませんが、矢に使う木だったため、「矢の木」といっていたものが転訛したという説、成長が早いので、「イヤナガ(彌長)」といったのが転訛したという説、漁獲の仕掛けとして用いた「ヤナキ(梁木)」から来たという説などがあります。その中で、枝が垂れ下がるものなので、「シダレ(枝垂)」が付きました。

<備考>
 街路樹として多く植栽されています。

<食餌植物としている蝶>
 コムラサキヒオドシチョウ


☆エノキ(ニレ科) 

エノキ(ニレ科) 2016年5月14日午後、「秋ヶ瀬公園」(さいたま市桜区)で撮影
エノキ(榎)
学 名 Celtis sinensis
科 名 ニレ科 
花 期 4~5月頃
分 布 本州、四国、九州
大きさ 20m以上
生育場所 山林、道端、庭など

<特徴>
 落葉高木で、幹は灰色で直立し、たくさん分枝します。葉は、互生し、有柄で、葉面はざらつきがあります。春に淡黄色の小さな花をつけます。花の後ろに、直径5-6mmの球形の果実をつけ、食べることができます。

<名前の由来>
 諸説あってはっきりしませんが、果実を鳥が食べるので「餌(エ)の木」から来たという説、鍬などの農機具の柄にしたので、「柄(エ)の木」から来たという説、枝が多く分枝するので、「枝(エ)の木」から来たという説などがあります。

<備考>
 昔から、建築用材、家具材、道具材、薪炭などに利用されてきました。

<食餌植物としている蝶>
 テングチョウオオムラサキゴマダラチョウアカボシゴマダラシータテハヒオドシチョウ


ハンノキ(カバノキ科) 

ハンノキ(カバノキ科) 2006年6月17日昼、「見沼自然の家」付近(川口市)で撮影
ハンノキ(榛の木)
学 名 Alnus japonica
科 名 カバノキ科 
花 期 12~2月頃
分 布 日本各地
大きさ 15-20m
生育場所 山野の低地や湿地、沼

<特徴>
 落葉高木で、葉に先だって単性花をつけます。雄花穂は黒褐色の円柱形で尾状に垂れ、雌花穂は楕円形で紅紫色を帯び雄花穂の下部につけます。花はあまり目立たず、果実は松かさ状で10月頃熟し、葉は有柄で長さ5~13cmの長楕円形で、縁に細鋸歯があります。

<名前の由来>
 開墾の意の古語「墾(はり)」が元となり、古名の「榛の木(はりのき)」となり、そこから転訛しました。

<備考>
 以前は、田の畦に植えて、稲を干すための竿を掛ける木とされ、農作業に利用されたので、水田地帯にたくさんありましたが、農作業が機械化されて利用されなくなり、伐採されたところが多くあります。

<食餌植物としている蝶>
 ミドリシジミ


ススキ(イネ科)

ススキ(イネ科) 2016年9月5日午後、小倉沢(秩父市)で撮影
ススキ(芒、薄)
学 名 Miscanthus sinensis
科 名 イネ科 
花 期 7~9月頃
分 布 日本各地
大きさ 1-2m
生育場所 山地、草原など

<特徴>
 多年草で、地下にはしっかりした地下茎があり、そこから多数の円柱形の花茎を立てます。葉は互生し、緑色で中脈は白く、細長くなります。夏から秋にかけて出穂し、花穂(尾花)は黄褐色または紫褐色をしていますが、種には白い毛が生えて、穂全体が白っぽくなります。

<名前の由来>
 諸説あって、はっきりしませんが、「スス」は「ササ」に通じ、細小(ササ)から変じたという説や野焼きの結果生じた焦げた茎(煤茎)から来たという説、「スス」はすくすくとまっすぐに立つことを表わし、「キ」は草や茎の意味であるという説などがあります。

<備考>
 秋の七草の一つです。かつては、茅葺屋根の材料にしたり、家畜の餌として利用していました。

<食餌植物としている蝶>
 ギンイチモンジセセリジャノメチョウコジャノメヒメジャノメ、クロコノマチョウ、ヒメウラナミジャノメホソバセセリヒメキマダラセセリコキマダラセセリヤマキマダラヒカゲキマダラセセリイチモンジセセリミヤマチャバネセセリチャバネセセリ


☆アキノエノコログサ(イネ科)

アキノエノコログサ(イネ科) 2017年8月3日午前、見沼田んぼ(さいたま市見沼区)で撮影
アキノエノコログサ
(秋の狗尾草)
学 名 Setaria faberi
科 名 イネ科 
花 期 7~11月頃
分 布 日本各地
大きさ 50-80cm
生育場所 畑地、荒地など

<特徴>
 1年草で、茎は群がって生え、葉は互生し、夏から晩秋にかけて出穂します。円柱形の円錐花序を付け、開花時には直立していますが、その後湾曲して垂れ下がります。

<名前の由来>
 花穂が、犬の尻尾に似ていることから、犬っころ草(いぬっころくさ)と呼ばれるようになり、それが訛ったものとされています。その中で、秋に多く見られるのでこの名が付きました。

<備考>
 昔は、猫をじゃらして遊んだりしたので、「ネコジャラシ」とも呼ばれました。近世には、飢饉時の食料にもされたそうです。

<食餌植物としている蝶>
 キマダラセセリ

☆イネ(イネ科)

イネ(イネ科) 2015年10月10日午前、「さいたま緑の博物館」(入間市)で撮影
イネ(稲)
学 名 Oryza sativa
科 名 イネ科 
花 期 7~9月頃
分 布 日本各地
大きさ 50-100cm
生育場所 水田、畑など

<特徴>
 1年草で、葉は互生し、夏から秋にかけて出穂し、花序は円錐形で開花時には直立していますが、その後垂れ下がります。実は収穫し、米として古来から食料にされています。

<名前の由来>
 諸説あって、はっきりしませんが、「食糧」「生命」「寝具」「原産地」などいろいろな立場からの説があります。

<備考>
 栽培品種として、多くのものがあり、畑に作るものは陸稲(オカボ)といいます。

<食餌植物としている蝶>
 ヒメジャノメイチモンジセセリチャバネセセリ


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