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埼玉県内の蝶の観察と写真、資料を掲載しています。

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<埼玉県の蝶>

見沼たんぼの蝶(さいたま市・川口市)

 2003年以降、見沼たんぼ周辺(埼玉県さいたま市・川口市)で撮った写真です。(現在43種)

☆アゲハチョウ科
ジャコウアゲハ アゲハチョウ キアゲハ クロアゲハ
ナガサキアゲハ カラスアゲハ アオスジアゲハ
☆シロチョウ科
キタキチョウ モンキチョウ ツマキチョウ モンシロチョウ
スジグロシロチョウ
☆シジミチョウ科
ベニシジミ ウラナミシジミ ヤマトシジミ ルリシジミ
ツバメシジミ ムラサキシジミ ミズイロオナガシジミ ミドリシジミ
トラフシジミ ウラギンシジミ
☆タテハチョウ科
ヒメウラナミジャノメ ヒカゲチョウ サトキマダラヒカゲ ヒメジャノメ
オオウラギンスジヒョウモン ツマグロヒョウモン イチモンジチョウ コミスジ
コムラサキ ゴマダラチョウ アカボシゴマダラ キタテハ
ルリタテハ アカタテハ ヒメアカタテハ
☆セセリチョウ科
ダイミョウセセリ ギンイチモンジセセリ キマダラセセリ イチモンジセセリ
チャバネセセリ ミヤマチャバネセセリ


最近の蝶の観察記録は、下記のブログを参照ください。

ガウスの蝶のブログ(見沼たんぼの蝶)へ

 見沼田圃(たんぼ)は、埼玉県のさいたま市、川口市にまたがる面積約12.5平方kmの広大な田園地帯です。首都25km圏内では最大の自然空間と言わています。芝川と加田屋川流域に水田や畑地が広がり、のどかな農村風景が展開していますが、自然環境が保たれ、多くの野草、野鳥、昆虫などが生息しているのです。私は、ここが好きで、何度も訪れて写真を撮ってきましたので、ここでは蝶についてまとめてみました。

見沼たんぼの地図

ジャコウアゲハ(アゲハチョウ科) 

ジャコウアゲハ(麝香揚羽)
学 名 Atrophaneura alcinous
科 名 アゲハチョウ科 
時 期 年3回、4月〜9月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)42-60mm
(開張)90-110mm
生育地 河川敷、樹林内など
<特徴>
 年3回の発生で、成虫は春から秋まで河川敷、樹林内などで見られます。体に有毒成分を含んでいて、鳥に襲われる危険性が少ないせいか、悠々と飛んでいるような気がします。国内でもいくつかの亜種がありますが、関東ではオスは黒色で後翅に赤色紋列が見られ、メスは黄灰色で後翅に黄色紋列があります。また、長い尾状突起があるのが特徴です。幼虫は、ウマノスズクサとオオバウマノスズクサを食します。

<名前の由来>
 オスを捕らえると,強い麝香(じゃこう)の様な芳香を出すことから命名されました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。
ジャコウアゲハの春型♀(アゲハチョウ科) 2005年5月14日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2005年5月14日昼に、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、ツツジの花の周辺を飛びまわっていました。

ジャコウアゲハの春型(アゲハチョウ科) 2014年5月4日午後、「見沼自然公園」(川口市)で撮影

 2014年5月4日午後、「見沼自然公園」(川口市)で撮影しましたが、吸蜜中を接写しました。

アゲハチョウ(アゲハチョウ科)

アゲハチョウ(揚羽蝶)
学 名 Papilio xuthus
科 名 アゲハチョウ科
時 期 年2〜5回、3月〜10月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)35-60mm
(開張)65-110mm
生育地 庭や公園、畑地など
<特徴>
 年2〜5回の発生で、成虫は春から秋まで見られるお馴染みのチョウの一つで、都市部から山岳地帯まで、いろいろな所で観察することが出来ます。しかし、よく見ると結構きれいなのです。翅の裏側も表側も黄色地に、黒い帯と線できれいな模様があり、後翅には、青または赤の紋も見られ、尾状突起があります。飛翔力が強く、元気に飛びまわるので、追いかけて撮影するのはたいへんですが、春にはツツジ類、夏以降にはヤブガラシ、アザミ類、ヒガンバナなどで吸蜜するので、シャッターチャンスがあります。幼虫は、ミカン科(サンショウ、カラタチ、ウンシュウミカン、ナツミカン、ユズ、カラスザンショウなど)の葉を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるので、そこから名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。他のアゲハチョウと区別するために、ナミアゲハと呼ばれることもあります。
アゲハチョウの春型♀(アゲハチョウ科) 2005年5月14日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2005年5月14日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、ツツジの花から花へ飛びまわっていました。

アゲハチョウの夏型(アゲハチョウ科) 2006年6月14日夕方、見沼通船堀付近で撮影

 2006年6月14日夕方、見沼通船堀付近で撮影しました。

アゲハチョウの夏型(アゲハチョウ科) 2006年9月5日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年9月5日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、吸蜜中を接写しました。

アゲハチョウの夏型(アゲハチョウ科) 2015年9月28日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影

 2015年9月28日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影しましたが、ヒガンバナで吸蜜中を接写しました。

キアゲハ(アゲハチョウ科) 

キアゲハ(黄揚羽)
学 名 Papilio machaon
科 名 アゲハチョウ科 
時 期 年1〜4回、3月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)36-70mm
(開張)90-120mm
生育地 河川敷、畑地、草地など
<特徴>
 年3〜4回の発生で、成虫は初春から晩秋まで、海岸から高山帯の河川敷、畑地、草地などで普通に見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黄色地に、黒い帯と線できれいな模様があり、後翅には、青または赤の紋も見られ、尾状突起があります。飛翔力が強く、元気に飛びまわるので、追いかけて撮影するのはたいへんです。幼虫は、セリ科植物(ニンジン、セリ、シシウドなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、黄色っぽいので名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がかなり大きいのです。
キアゲハの夏型(アゲハチョウ科) 2005年8月28日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影 

 2005年8月28日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影しましたが、畑地の上を活発に飛んでいました。

キアゲハの夏型(アゲハチョウ科) 2006年6月17日午前、芝川の土手で撮影 

 2006年6月17日午前、芝川の土手で撮影しましたが、ヒルガオの花で吸蜜していました。

キアゲハの夏型(アゲハチョウ科) 2006年6月24日午後、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影 

 2006年6月24日午後、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影しました。

キアゲハの夏型(アゲハチョウ科) 2006年8月11日昼、見沼代用水東縁付近で撮影 

 2006年8月11日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しました。


クロアゲハ(アゲハチョウ科) 

クロアゲハ(黒揚羽)
学 名 Papilio protenor
科 名 アゲハチョウ科 
時 期 年2回、4月〜8月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)45-70mm
(開張)90-110mm
生育地 山地から都市の公園、樹林周辺、草地、人家付近など
<特徴>
 年2回の発生で、成虫は春から夏まで、山地から都市周辺の公園、樹林、草地、人家付近など様々な場所で見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黒色ですが、後翅にオレンジ色の斑紋が見られ、尾状突起があり、オスには、白帯もあります。幼虫は、ミカン科植物(カラタチ、ウンシュウミカン、ナツミカン、ユズ、カラスザンショウなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、全体に黒(クロ)っぽいので、名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。本土・奄美亜種と沖縄・八重山亜種があります。
クロアゲハ♂(アゲハチョウ科) 2006年7月31日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年7月31日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、本土・奄美亜種です。

クロアゲハ♀(アゲハチョウ科) 2006年9月14日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年9月14日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、しばらく花から花へ飛びまわっていたので、いろいろな角度からシャッターが切れました。

ナガサキアゲハ(アゲハチョウ科) 

ナガサキアゲハ(長崎揚羽)
学 名 Papilio helenus
科 名 アゲハチョウ科 
時 期 年2〜5回、5月〜9月
分 布 本州(関東地方以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)60-80mm
(開張)100-140mm
生育地 主に平地の人家周辺など
<特徴>
 年2〜5回の発生で、南に行くに従って発生回数が増し、成虫は春から秋まで、本州の関東地方以西から沖縄の主に平地の人家周辺などで見られるアゲハチョウの仲間です。オスとメスでは紋様が異なり、オスは翅の裏側も表側も一様に黒色ですが、クロアゲハとは普通尾状突起がないことで識別できます。メスは、前翅の黒色が淡く、基部に橙赤斑が目立ち、後翅に大きく明瞭な白斑があります。ゆるやかに飛んでいますが、なかなかとまらないので、撮影には苦労します。幼虫は、ミカン科の栽培植物(ウンシュウミカン、ナツミカン、ユズ、ザボン、カラタチ、ハッサク、キンカンなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、シーボルトが長崎(ナガサキ)で発見したので、この名が付けられました。

<備考>
 夏型は大きくなります。九州・沖縄では尾状突起のあるものもいます。
ナガサキアゲハ♂(アゲハチョウ科) 2006年9月25日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年9月25日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しました。9/4に同じ場所でメスを目撃したときは、うまく撮影できなかったので、今回はなんとかカメラに収めることが出来ました。以前は、関東では見られなかった種ですが、温暖化の影響か東進してきています。

ナガサキアゲハ♂(アゲハチョウ科) 2014年5月4日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影

 2014年5月4日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影しましたが、しばらくツツジの花から花へ飛びまわっていたので、シャッターが切れました。

ナガサキアゲハ♀(アゲハチョウ科) 2015年5月28日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影

 2015年5月28日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影しましたが、ヒガンバナで吸蜜していたので、接写しました。


カラスアゲハ(アゲハチョウ科) 

カラスアゲハ(烏揚羽)
学 名 Papilio bianor
科 名 アゲハチョウ科 
時 期 年2回、4月〜9月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)45-80mm
(開張)75-120mm
生育地 平地から亜高山帯まで広く分布
<特徴>
 年2回の発生で、成虫は春から秋にかけて、平地から亜高山帯まで、日本全土で普通に見られるアゲハチョウの仲間ですが、国内でもいくつかの亜種があります。翅の裏側は、黒っぽく、後翅にオレンジ色の三日月模様が並んでいます。翅の表側は、青っぽい輝きが感じられ、後翅にオレンジ色または青色の三日月模様が並び、尾状突起があります。林の中を敏速に飛びまわっているのを見かけます。幼虫は、ミカン科植物(カラスザンショウ、コクサギ、イヌザンショ、ウンシュウミカン、ナツミカン、ユズなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、黒っぽいので烏(カラス)に例えて名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。本土亜種、八丈島亜種、トカラ列島亜種、奄美亜種、沖縄亜種、八重山亜種がありますが、沖縄亜種を別種の「オキナワカラスアゲハ」として分類する場合もあります。
カラスアゲハの夏型♀(アゲハチョウ科) 2006年7月31日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影

 2006年7月31日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影しましたが、本土亜種です。

カラスアゲハ夏型♂(アゲハチョウ科) 2006年8月3日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影

 2006年8月3日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影しましたが、本土亜種です。


アオスジアゲハ(アゲハチョウ科)

アオスジアゲハ(青筋揚羽)
学 名 Graphium sarpedon
科 名 アゲハチョウ科 
時 期 年3〜4回、4月〜10月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)32-45mm
(開張)65-90mm
生育地 公園、山地の照葉樹林、海岸付近など
<特徴>
 年3〜4回の発生で、成虫は春から秋まで、公園、山地の照葉樹林、海岸付近などで見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黒褐色地に青緑色の帯が目立ちます。飛翔力が強く、元気に空高く飛んでいくのを見かけます。幼虫は、クスノキ科植物(クスノキ、ヤブニッケイ、タブノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、羽に青緑色の筋(アオスジ)が目立つので、名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。
アオスジアゲハの夏型(アゲハチョウ科) 2005年8月28日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年8月28日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、畑地にいたので、望遠でとらえました。

アオスジアゲハの夏型(アゲハチョウ科) 2005年6月29日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2005年6月29日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しました。

アオスジアゲハの春型(アゲハチョウ科) 2014年5月4日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影

 2014年5月4日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影しましたが、ハルジョオンの花で吸蜜しているところを接写しました。


キタキチョウ(シロチョウ科) 

キタキチョウ(北黄蝶)
学 名 Eurema mandarina
科 名 シロチョウ科 
時 期 年4〜5回、5月〜10月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)18-27mm
(開張)35-45mm
生育地 林縁、河原など
<特徴>
 多化性で、成虫は春から秋まで、低山地から平地の林縁や河原などで普通に見られる黄色っぽいチョウです。翅の裏側は、黄色地に小さな点のような模様が見られます。翅の表側は、黄色で黒い縁が見られますが、前翅の方が黒い部分が多く見られます。幼虫は、マメ科植物(メドハギ、ヤマハギマルバハギ、ネムノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 黄色いチョウという意味で命名されましたが、その後沖縄県産のキチョウと区別するために、その北(キタ)に生息しているのでこの名前になりました。

<備考>
 夏型と秋型があり、成虫で越冬します。
キタキチョウの夏型(シロチョウ科) 2006年6月20日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年6月20日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、葉に止まっていたところを接写しました。


モンキチョウ(シロチョウ科)

モンキチョウ(紋黄蝶)
学 名 Eurema hecabe
科 名 シロチョウ科 
時 期 年4〜5回、3月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)22-33mm
(開張)40-50mm
生育地 公園、畑地、河原など
<特徴>
 多化性で、成虫は早春から晩秋まで、畑地、草原、河原、公園などで、一般的に見られる黄色っぽいチョウですが、メスには白っぽいのがいて、一見モンシロチョウと見間違えることもあります。各種の花で蜜を吸っていますが、動きが活発で、なかなか撮れない時があります。幼虫はシロツメクサ、クサフジ、レンゲソウ、コマツナギ、ミヤコグサなどの各種マメ科植物を食べます。

<名前の由来>
 羽に紋のある黄色いチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がやや大きいのです。
モンキチョウの夏型♂(シロチョウ科) 2003年7月12日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2003年7月12日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、アカツメクサやヒメジョオンで吸蜜していました。

モンキチョウの夏型♂(シロチョウ科) 2005年11月5日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年11月5日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、畑地を飛んでいて、菊の花で吸蜜していました。

モンキチョウの夏型♂(シロチョウ科) 2006年6月17日昼、芝川の土手で撮影

 2006年6月17日昼、芝川の土手で撮影しましたが、ヒメジョオンの花で吸蜜していました。


ツマキチョウ(シロチョウ科)

ツマキチョウ(褄黄蝶)
学 名 Anthocharis scolymus
科 名 シロチョウ科 
時 期 年1回、3月〜5月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)40-50mm
生育地 平地から山地の河川沿い、林縁など
<特徴>
 年1回の発生で、早春にだけ成虫が出現する「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」蝶の一つで、北海道〜九州の平地から山地の河川沿い、林縁等の開けたところで見られます。翅の裏側は、木の葉っぱのような迷彩色をしていて、目立たなくなっています。翅の表側は、白色で前翅に黒点があり、オスでは端が黄色になっていて、メスとの識別が容易です。飛び方は、他のシロチョウと比べて直線的で、翅を半開きにして花にとまります。幼虫は、アブラナ科植物(ハタザオ、タネツケバナ、イヌガラシ、ナズナ、ダイコンなど)の花や果実を食べます。

<名前の由来>
 白色で前翅の端を意味する褄(ツマ)が黄(キ)色になっているチョウということで名付けられています。

<備考>
 特にメスはモンシロチョウと見間違う場合があります。
ツマキチョウ♂(シロチョウ科) 2006年5月1日午後、見沼通船堀(さいたま市緑区)で撮影

 2006年5月1日午後、見沼通船堀(さいたま市緑区)で撮影しましたが、川沿いをスッーと飛んでいて、ダイコンの花に止まったところを接写しました。

ツマキチョウ♂(シロチョウ科) 2017年4月20日午後、見沼自然公園(さいたま市緑区)で撮影

 2017年4月20日午後、見沼自然公園(さいたま市緑区)で撮影しましたが、タンポポの花で吸蜜していました。


モンシロチョウ(シロチョウ科) 

モンシロチョウ(紋白蝶)
学 名 Pieris rapae
科 名 シロチョウ科 
時 期 年6〜7回、3月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)44-46mm
生育地 キャベツ畑など
<特徴>
 多化性で、春から秋まで、日本中で普通に見られるチョウで、最もなじみの深いものの一つです。野原や畑などを白っぽいチョウがフワフワと飛んでいて、いろいろな花にとまって蜜を吸ったりしています。幼虫は、キャベツダイコンの葉を食するので、害虫にされています。モンキチョウのメスやスジグロシロチョウと見間違えることがあります。

<名前の由来>
 羽に紋のある白いチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、春型は小型で黒っぽい感じがします。
モンシロチョウの夏型♂(シロチョウ科) 2003年7月12日昼、芝川の土手で撮影

 2003年7月12日昼、芝川の土手で撮影しましたが、ヒメジョオンで吸蜜していました。

モンシロチョウの夏型♂(シロチョウ科) 2005年8月28日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年8月28日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、花から花へと舞っていました。

モンシロチョウの夏型♀(シロチョウ科) 2005年11月5日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年11月5日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、畑地を飛んでいて、菊の花で吸蜜していました。


スジグロシロチョウ(シロチョウ科) 

スジグロシロチョウ(筋黒白蝶)
学 名 Pieris melete
科 名 シロチョウ科 
時 期 年4〜5回、3月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)24-35mm
(開張)50-60mm
生育地 低地の林周辺、耕作地、市街地など
<特徴>
 多化性で、成虫は初春から秋まで、低地の林周辺、耕作地、市街地など、一般的に見られる白色っぽいチョウですが、一見モンシロチョウヤマトスジグロシロチョウと見間違えることもあります。翅の裏側は、白色で黒斑と黒い筋があります。翅の表側は、白色地に黒斑と黒い筋があります。幼虫は、アブラナ科植物(イヌガラシ、ハタザオ、タネツケバナ、アブラナ、ワサビなど)を食べます。

<名前の由来>
 シロチョウの仲間で、羽に黒い筋があるチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がやや大きいのです。
スジグロシロチョウ夏型♂(シロチョウ科) 2006年6月24日午後、「さぎ山記念公園」付近で撮影

 2006年6月24日午後、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影しましたが、花で吸蜜していました。

スジグロシロチョウ夏型♂(シロチョウ科) 2006年7月1日午後、見沼代用水西縁付近で撮影

 2006年6月24日午後、見沼代用水西縁付近で撮影しました。


ベニシジミ(シジミチョウ科)

ベニシジミ(紅小灰)
学 名 Lycaena phlaeas
科 名 シジミチョウ科 
時 期 年数回、3月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)13-19mm
(開張)27-35mm
生育地 草地、荒地、畑地、湿地など
<特徴>
 多化性で、早春から晩秋まで、草地や人家周辺で普通に見られ、小型ですが、オレンジ色が目立つためにしばしば目を引きます。特に、春型が鮮やかで、近づいて観察するととても愛らしいのです。地面近くを忙しそうに飛び、各種の花にとまって蜜を吸ったりしていますが、あまり動かない時もあって、よくカメラに収まってくれます。幼虫は、スイバ、ギシギシ、ノダイオウなどを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、紅色をしているので名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、春型の方が色が鮮やかです。
ベニシジミの夏型♀(シジミチョウ科) 2003年7月12日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2003年7月12日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、ヒメジョオンで吸蜜していました。

ベニシジミの春型♀(シジミチョウ科) 2005年5月14日昼、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年5月14日昼、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、葉上に止まったところを接写しました。

ベニシジミの夏型♂(しじみちょう科) 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、小休止したところを接写しました。

ベニシジミの夏型♀(シジミチョウ科) 2005年7月3日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年7月3日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、花や葉上に止まったところを接写しました。

ベニシジミの春型♀(シジミチョウ科) 2006年4月1日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2006年4月1日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、葉上に止まっていました。


ウラナミシジミ (シジミチョウ科) 

ウラナミシジミ(裏波小灰)
学 名 Lampides boeticus
科 名 シジミチョウ科 
時 期 年5〜6回、7月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)13-18mm
(開張)28-34mm
生育地 耕作地、河川敷など

<特徴>
 夏から秋まで、本州から沖縄の耕作地や河川敷などで見られるシジミチョウの仲間です。翅の裏側は、白と褐色のさざ波模様があり、後翅隅に2つの黒斑と橙色の部分が見られ、尾状突起があります。表側は、青紫色ですが、メスではまわりの黒縁取りが大きくなります。幼虫は、マメ科植物(フジマメ、アヅキ、クズなど)のつぼみ、花、実を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、羽の裏(ウラ)側にさざ波(ナミ)模様があるので、この名が付きました。

<備考>
 食草を求めて北へ北へと移動する習性を持っています。

ウラナミシジミ♂ (シジミチョウ科) 2005年10月1日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影 

 2005年10月1日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、センダングサの花で吸蜜していました。

ウラナミシジミ♂ (シジミチョウ科) 2016年10月2日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)付近で撮影 

 2016年10月2日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)付近の畑地で撮影しましたが、吸蜜していたのを接写しました。


ヤマトシジミ (シジミチョウ科) 

ヤマトシジミ (大和小灰)
学 名 Pseudozizeeria maha
科 名 シジミチョウ科 
時 期 年数回、3月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)9-16mm
(開張)20-28mm
生育地 道端、野原、庭など

<特徴>
 多化性で、早春から晩秋まで、草地や人家周辺で普通に見られる、小型のシジミチョウです。翅の裏側には、灰色地に黒い斑紋列が見られます。表側は少し光沢のある空色ですが、メスは黒っぽいものが見られます。地表近くを忙しげに飛んで、シロツメクサなどで吸蜜していますが、動きが速いのでなかなかシャッターを切らせてくれません。幼虫はカタバミを食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、日本(ヤマト)に広く分布していることから名付けられました。

<備考>
 カタバミのあるところに出没します。

ヤマトシジミ♂ (シジミチョウ科) 2005年5月14日昼、芝川の土手沿いで撮影

 2005年5月14日昼、芝川の土手沿いで撮影しましたが、時々羽を休めたところを接写しました。

ヤマトシジミ♂ (シジミチョウ科) 2005年5月21日午前、「さいたま市立民家園」(さいたま市緑区)で撮影

 2005年5月21日午前、「さいたま市立民家園」(さいたま市緑区)で撮影しましたが、カタバミの花にとまったところを接写したのです。

ヤマトシジミ♀ (シジミチョウ科) 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、葉上で小休止したところを接写しました。

ヤマトシジミ♂ (シジミチョウ科) 2005年7月3日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しました。

ヤマトシジミ♂ (シジミチョウ科) 2005年8月14日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影

 2005年8月14日午前に、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

ヤマトシジミ♂ (シジミチョウ科) 2005年8月28日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年8月28日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、カタバミの花の周辺を飛び交っていました。


ルリシジミ(シジミチョウ科)

ルリシジミ(瑠璃小灰)
学 名 Celastrina argiolus
科 名 シジミチョウ科 
時 期 年4〜5回、3月〜11月
分 布 日本各地
大きさ (前翅長)12-19mm
(開張)27-33mm
生育地 草地、雑木林周辺、人家周辺など
<特徴>
 多化性で、春から秋まで、雑木林や人家の周辺を忙しげに飛んでいる、白っぽいシジミチョウです。翅の裏側は、灰色地に小さい黒斑が並んでいます。表側は青色ですが、メスでは薄く縁の黒っぽい部分が広くなります。幼虫は、マメ科、ミズキ科、バラ科など、各種の植物の花やつぼみを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の表側が瑠璃(ルリ)色をしているので名付けられました。

<備考>
 季節差はほとんどありません。
ルリシジミ♂ (シジミチョウ科) 2005年8月14日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影

 2005年8月14日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近の樹林周辺で撮影しました。

ルリシジミ♂ (シジミチョウ科) 2006年3月26日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2006年3月26日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、付近を舞っていて、地表に止まったところを接写しました。

ルリシジミの♂と♀ (シジミチョウ科) 2006年8月22日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年8月22日昼、見沼代用水東縁付近で、交尾しているところを撮影しました。


ツバメシジミ (シジミチョウ科)

ツバメシジミ (燕小灰)
学 名 Everes argiades
科 名 シジミチョウ科
時 期 年4〜6回、4月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)9-19mm
(開張)25mm前後
生育地 草地、河川堤防など
<特徴>
 多化性で、春から秋まで、草地や河原で普通に見られる小型のシジミチョウです。後翅の裏側には、オレンジ色の紋があり、表側はオスは、青紫色ですが、メスは黒っぽくなります。また、後翅に糸のような短い尾(尾状突起)があるのが特徴です。地表近くを軽々と飛んでいて、時々各種の花や地表にとまります。幼虫は、マメ科植物(シロツメクサレンゲソウ、ナンテンハギ、ヤマハギ、コマツナギなど)を食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、後羽にツバメの尾のような細長い突起があることから名付けられました。

<備考>
 日当たりの良い場所を好みます。
ツバメシジミ♀ (シジミチョウ科) 2005年5月21日午前、芝川の土手沿い(さいたま市緑区)で撮影

 2005年5月21日午前、芝川の土手沿い(さいたま市緑区)に飛んでいましたが、時々羽を休めたところを接写しました。これは、春型のメスで、鱗粉が乗っています。

ツバメシジミ♂(シジミチョウ科) 2005年7月3日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年5月21日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しました。たんぼの上を飛んでいましたが、時々畦の草の上で羽を休めたところを接写しました。しかし、表側は見せてくれなかったので、飛翔している時をねらったのですが...。

ツバメシジミ♂(シジミチョウ科) 2006年4月22日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2006年4月22日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、草地の上を飛んでいて、時々羽を休めたところを接写しました。


ムラサキシジミ(シジミチョウ科)

ムラサキシジミ(紫小灰)
学 名 Narathura japonica
科 名 シジミチョウ科
時 期 年2〜4回、6月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)14-22mm
(開張)30-40mm  
生育地 常緑林など
<特徴>
 年2〜4回の発生で、成虫は初夏から秋まで、常緑林周辺などで見られる、シジミチョウの一種ですが、成虫で越冬するので、冬から春に見られることもあります。翅の表側は紫藍色部分を囲むように外縁黒帯がありますが、メスの方が広くなります。裏側は、目立たない黒褐色で、黒っぽい斑と帯が見られます。林の中をすばやく飛翔しますが、たまに低木で羽を休めてくれるので撮影できる場合があります。幼虫は、ブナ科植物(アラカシ、アカガシ、イチイガシ、コナラなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の表側が紫(ムラサキ)色に輝いて見えることから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。
ムラサキシジミ♀(シジミチョウ科) 2006年6月27日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年6月27日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、低木の葉の上に羽を休めしばらく動かなかったので、シャッターが切れました。

ムラサキシジミ♀(シジミチョウ科) 2006年7月3日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年7月3日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、葉上に止まっていました。。

ムラサキシジミ♂(シジミチョウ科) 2006年9月25日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年9月25日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、葉上に止まっていました。


ミズイロオナガシジミ(シジミチョウ科)

ミズイロオナガシジミ
(水色尾長小灰)
学 名 Antigius attilia
科 名 シジミチョウ科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)11-18mm
(開張)25-35mm  
生育地 平地の雑木林周辺
<特徴>
 年1回の発生で、成虫は初夏に北海道〜九州の平地の雑木林周辺などで見られるシジミチョウの一種です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の仲間で、翅の表側は、黒褐色で、後翅の外縁に小さな白色斑があります。裏側は白色地ですが、後翅の外縁に水色の斑紋が見られ、中央部には黒帯が目立ちます。また、しっぽ(尾状突起)が長いのが特徴です。夕方は、木々の間を飛びまわっていますが、昼間は木葉や草の上で休んでいますので、撮影のチャンスがあります。幼虫は、ブナ科植物(コナラ、ミズナラ、カシワ、クヌギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、飛ぶと水色(ミズイロ)っぽく見え、尾状突起が長い(オナガ)ところから名付けられました。

<備考>
 開発によって、生育環境が狭まってきています。
ミズイロオナガシジミ(シジミチョウ科) 2006年6月7日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年6月7日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、羽を閉じたままあまり動かなかったので、表側は撮影できませんでした。


ミドリシジミ(シジミチョウ科)

ミドリシジミ(緑小灰)
学 名 Neozephyrus japonicus
科 名 シジミチョウ科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)16-23mm
(開張)35-40mm  
生育地 湿地、田畑の畦、雑木林など
<特徴>
 年1回の発生で、成虫は初夏に湿地、田畑の畦、雑木林などで見られるシジミチョウの一種です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の仲間で、翅の表側は、オスは金緑色、メスは黒褐色となります。裏側は茶褐色の地に白線とオレンジ色の紋が目立ち、尾状突起があります。幼虫は、カバノキ科植物(ハンノキ、ケヤマハンノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、オスの翅の表側が緑(ミドリ)色に輝いて見えるところから名付けられました。

<備考>
 1991年(平成3)11月に埼玉県の蝶に指定されています。メスは翅の表の斑紋の違いにより、A型、B型、AB型、O型の4つに分けられます。埼玉県レッドデータブック準絶滅危惧
ミドリシジミ(シジミチョウ科) 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、葉上でじっとして動かなかったので、表側は撮影できませんでした。

ミドリシジミ(シジミチョウ科) 2006年6月17日昼、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2006年6月17日昼、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、ハンノキの葉の上でじっとして動かなかったので、表側は撮影できませんでした。


トラフシジミ(シジミチョウ科)

トラフシジミ (虎斑小灰)
学 名 Rapala arata
科 名 シジミチョウ科
時 期 年2回、4月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)18-21mm
(開張)32-40mm
生育地 平地から高原
<特徴>
 ふつう年2回の発生で、成虫は春〜夏に平地から高原で見られるシジミチョウの一種です。翅の裏側は褐色で、白帯が縞模様のように見え、尾状突起があります。表側は、藍色ですが、オスは後翅基部に三角形の性標が現れ、占有行動をとることも知られています。ます。飛ぶときは素早いのですが、すぐ葉の上にとまるのでシャッターチャンスがあります。幼虫はマメ科(フジクズ)やツツジ科(ナツハゼ)、ユキノシタ科(ウツギ)、ブナ科(クリ)などの植物の花や実を食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、褐色と白帯の縞模様を虎斑(トラフ)に見立てて、命名されました。

<備考>
 春型は夏型に比べ、白帯がはっきりしてコントラストが強くなります。
トラフシジミ(シジミチョウ科) 2006年6月27日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影

 2006年6月27日昼に、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影しましたが、一瞬葉の上にとまったところを望遠で撮りました。


ウラギンシジミ(シジミチョウ科)

ウラギンシジミ (裏銀小灰)
学 名 Curetis acuta
科 名 シジミチョウ科 
時 期 年2〜5回、6月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)19-27mm
(開張)37-40mm
生育地 林縁、市街地など

<特徴>
 年2〜5回の発生で、成虫は初夏から秋まで、林縁や市街地などで見かけるモンシロチョウより少し小さいくらいのシジミチョウです。翅の裏側は銀白色をしていますが、表側はオスが茶褐色地にオレンジ色の紋、メスは茶色地に青灰色の紋を持っています。幼虫は、マメ科植物(フジクズ、クララなど)の花やつぼみを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、羽の裏が白っぽく銀色に見えることから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。シジミチョウの仲間では大型で、成虫で越冬します。

ウラギンシジミ (シジミチョウ科) 2005年6月5日昼、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年6月5日昼、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しました。羽を開いてとまらなかったので、表側が撮影できませんでしたが、オレンジ色を見せながら飛んでいきました。大きさは、モンシロチョウより、少し小さいぐらいでした。

ウラギンシジミ♀ (シジミチョウ科) 2006年9月2日朝、芝川の土手で撮影

 2006年9月2日朝、芝川の土手で撮影しましたが、しばらくとどまって、羽を開閉してくれたので、いろいろな角度からシャッターが切れました。

ウラギンシジミ♂ (シジミチョウ科) 2006年10月13日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影

 2006年10月13日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影しましたが、しばらく地表にとどまって、羽を開いてくれたので接写できました。


ヒメウラナミジャノメ(タテハチョウ科)

ヒメウラナミジャノメ
(姫裏波蛇目)
学 名 Ypthima argus
科 名 タテハチョウ科
時 期 年3〜5回、3月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)18-24mm
(開張)33-40mm
生育地 草地、林縁など
<特徴>
 年3〜5回の発生で、成虫は早春から秋まで、草地や林縁などで普通に見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に、さざ波のような模様が出ていて、眼状紋が前翅に1個、後翅に5個以上見られます。表側は茶色の地色に大きな眼状紋が前翅左右に1個ずつ、後翅左右に2個ずつが目立ちます。草の上を低空で、リズミカルに飛んで、各種の花で吸蜜します。幼虫はカヤツリグサ科・イネ科植物(チジミザサ、ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い眼状紋(蛇の目)があることで命名されたジャノメチョウの仲間で、小さく愛らしいのでヒメ(姫)、翅の裏側がさざ波のような模様になっているので(裏波)が付きました。

<備考>
 季節型は有りません。都市部では減少してきています。
ヒメウラナミジャノメ(タテハチョウ科) 2005年6月5日昼頃に撮影

 2005年6月5日昼頃に撮影しました。

ヒメウラナミジャノメ(タテハチョウ科) 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、葉上で小休止したところを接写しました。


ヒカゲチョウ(タテハチョウ科)

ヒカゲチョウ(日陰蝶)
学 名 Lethe sicelis
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2回、5月〜9月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)25-34mm
(開張)50-60mm
生育地 平地から低山地の樹林など
<特徴>
 年2回の発生で、成虫は春から初秋まで、平地から低山地の樹林などで見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は灰褐色の地色に白線と大小の眼状紋が見られます。表側は灰褐色の地色に、後翅に小さな眼状紋があります。幼虫は、イネ科植物(マダケ、アズマザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて、曇天や夕刻などに日陰(ヒカゲ)をよく飛びまわる蝶なので命名されました。

<備考>
 季節型はありません。ナミヒカゲと呼ばれる場合があります。
ヒカゲチョウ(タテハチョウ科) 2006年6月10日午後、見沼代用水西縁付近で撮影

 2006年6月10日午後、見沼代用水西縁付近で撮影しました。

ヒカゲチョウ(タテハチョウ科) 2006年6月14日夕方、見沼通船堀付近(さいたま市緑区)で撮影

 2006年6月14日夕方、見沼通船堀付近(さいたま市緑区)で撮影しました。

ヒカゲチョウ(タテハチョウ科) 2006年6月23日夕方、見沼通船堀付近(さいたま市緑区)で撮影

 2006年6月23日夕方、見沼通船堀付近(さいたま市緑区)で撮影しました。

ヒカゲチョウ(タテハチョウ科) 2006年6月27日夕方、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年6月27日夕方、見沼代用水東縁付近で撮影しました。


サトキマダラヒカゲ(タテハチョウ科)

サトキマダラヒカゲ
(里黄斑日陰)
学 名 Neope goschkevitschii
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1〜2回、5月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)26-39mm
(開張)60-65mm
生育地 平地から低山地の雑木林の周辺など

<特徴>
 年1〜2回の発生で、成虫は春から夏まで、平地から低山地の雑木林の周辺などで普通に見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は白と黄と黒の入り交じった文様で、眼状紋が並んでいます。表側は、茶褐色の地色に橙黄色の斑と線が見られます。樹木や地面に時々とまりますが、羽を閉じているので、飛翔時以外に表側を撮影するのは難しいのです。幼虫は、イネ科植物(チシマザサ、シナノザサ、ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて曇天や夕刻によく飛びまわるヒカゲチョウの中で、里(サト)で多く見られ、黄色の斑(キマダラ)模様があるので命名されました。

<備考>
 ヤマキマダラヒカゲとよく似ていて、識別はなかなか難しいのです。

サトキマダラヒカゲの夏型(たてはちょう科) 2005年8月14日午前、「さぎ山記念公園」付近で撮影

2005年8月14日午前、「さぎ山記念公園」付近で撮影しました。木にとまって、樹液を吸っていましたが、飛翔する瞬間をとらえて、表側も撮ってみました。


ヒメジャノメ(タテハチョウ科)

ヒメジャノメ(姫蛇目)
学 名 Mycalesis gotama
科 名 タテハチョウ科
時 期 年3回、5月〜10月
分 布 北海道(南部)〜九州
大きさ (前翅長)18-31mm
(開張)33-40mm
生育地 人家周辺、樹林周辺
<特徴>
 年3回の発生で、成虫は春から秋まで、人家や樹林周辺などで普通に見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に白線と大小の眼状紋が並んでいます。表側は茶色の地色に大小の眼状紋が前翅左右にそれぞれ1個ずつ目立ちますが、後翅左右の眼状紋は小さくてはっきりしない場合があります。林の近くを軽々とリズミカルに飛んでいますが、たまに葉や地表にとまるのでシャッターを切れるときがあります。幼虫はカヤツリグサ科・イネ科植物(チジミザサ、ススキ、アシボソ、メダケなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い眼状紋(蛇の目)があることで命名されたジャノメチョウの仲間で、小さく愛らしいのでヒメ(姫)が付きました。

<備考>
 夏型は前翅の眼状紋が大きくなります。
ヒメジャノメ(タテハチョウ科) 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、葉上で小休止したところを接写しました。

ヒメジャノメ(タテハチョウ科) 2005年10月1日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年10月1日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、葉上で小休止していました。

ヒメジャノメの♂と♀(タテハチョウ科) 2006年9月21日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影

 2006年9月21日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で、交尾しているところを撮影しました。


オオウラギンスジヒョウモン(タテハチョウ科)

オオウラギンスジヒョウモン
(大裏銀筋彪紋)
学 名 Argyronome ruslana
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1回、6月〜7月、9月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)34-43mm
(開張)70mm前後
生育地 山地の樹林周辺、草地など
<特徴>
 年1回の発生で、成虫は6月〜7月頃あらわれますが、低山地では真夏には一時夏眠し、9月頃再び活動するタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に前翅には黒斑、後翅には、中央に白色斑列があり、銀色の筋のようにも見えます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られますが、オスには前翅の表側に性標が3本あります。幼虫は、スミレ科植物(タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 大(オオ)型の彪紋(ヒョウモン)蝶で、羽の裏側に銀(ギン)色の筋(スジ)があるのでこの名前が付きました。

<備考>
 オスよりメスの方がやや大きいのです。
オオウラギンスジヒョウモン♀(タテハチョウ科) 2015年9月28日午後、「見沼自然公園」付近で撮影

2015年9月28日午後撮影しましたが、「見沼自然公園」付近(さいたま市緑区)の畑地で吸蜜していたのを接写しました。


ツマグロヒョウモン(タテハチョウ科)

ツマグロヒョウモン(褄黒彪紋)
学 名 Argyreus hyperbius
科 名 タテハチョウ科
時 期 多化性、4月〜11月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)27-38mm
(開張)70-80mm
生育地 河原、畑地、草原、市街地など
<特徴>
 多化性で、成虫は春から晩秋に、本州(関東以西)から沖縄の河原、畑地、草原、市街地などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に斑模様がありますが、前翅には赤色部分が表れます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られますが、メスの前翅の先は黒紫になり、白い帯があります。オスは、占有行動をとることが知られています。幼虫は、スミレ科植物(スミレ、タチツボスミレパンジーなど)を食べます。

<名前の由来>
 メスの前翅の端を意味する褄(ツマ)が黒(クロ)色になっている、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 季節型はありませんが、オスとメスでかなり模様が異なります。
ツマグロヒョウモン♀(タテハチョウ科) 2006年7月28日昼、見沼通船堀(さいたま市緑区)で撮影

 2006年7月28日昼、見沼通船堀(さいたま市緑区)で撮影しましたが、とうとう埼玉県まで東進してきたかと思いました。地球温暖化の影響でしょうか...。

ツマグロヒョウモン♂(タテハチョウ科) 2006年8月31日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年8月31日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、花で吸蜜しているところでシャッターが切れました。

ツマグロヒョウモン♀(タテハチョウ科) 2006年9月25日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年9月25日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


イチモンジチョウ(タテハチョウ科)

イチモンジチョウ(一文字蝶)
学 名 Limenitis camilla
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜3回、5月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)24-36mm
(開張)45-55mm
生育地 雑木林周辺、都市郊外など
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は春から秋まで、雑木林周辺、都市郊外などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に、白帯と黒の斑模様が見られます。翅の表側は、黒褐色の地に白い帯が目立ち、羽を開いているときには、1本の帯のように見えます。あまり羽をはばたかずに滑空するように飛び、時々木々にとまります。幼虫は、スイカズラ科植物(スイカズラ、ヒョウタンボク、ハコネウツギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開くと、前翅と後翅の模様が繋ながって、白い帯が、一(イチ)の文字(モンジ)のように見えるので名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。アサマイチモンジとよく似ているので、識別には注意が必要です。
イチモンジチョウ(タテハチョウ科) 2006年7月26日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年7月26日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

イチモンジチョウ(タテハチョウ科) 2006年9月4日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年9月4日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、葉上に止まっていました。


コミスジ(タテハチョウ科)

コミスジ(小三筋)
学 名 Neptis sappho
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜3回、4月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)22-30mm
(開張)45-54mm
生育地 都市郊外、山地、林縁
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は春から秋まで、林縁や都市郊外などでも普通に見られる小さめのタテハチョウの仲間です。翅の裏側は茶色地に白線が入り、表側は濃茶色地に三本の白い帯が目立ちます。羽をパタパタさせながら、スーッと飛ぶ独特な飛翔を見せますが、ちょっと鈍感なのか、近づいても動かないことがあるので、結構カメラに収まってくれます。幼虫は、マメ科植物(クズフジ、ヤマハギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開いた時の模様が、白い3本の横筋線が目立つので「ミスジ」と命名されたのですが、その中では小型なので頭に「コ」がつきました。

<備考>
 オスとメスが似ています。
コミスジ(タテハチョウ科) 2005年5月29日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近の畑地で撮影

 2005年5月29日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近の畑地で撮影しましたが、飛んでいたのが羽を休めたところを接写しました。

コミスジ(タテハチョウ科) 2005年8月28日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影

2005年8月28日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影しましたが、畑地の上を飛んでいました。

コムラサキ(タテハチョウ科)

コムラサキ(小紫)
学 名 Apatura metis
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1〜3回、5月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)30-42mm
(開張)60-70mm
生育地 河川敷、公園、市街地など
<特徴>
 年1回、暖かい所では3回ほど発生し、成虫は春から秋まで、河川敷や市街地などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、褐色の地に、前翅には黄褐色と黒の斑模様があり、後翅には赤褐色の線も見られます。翅の表側は、茶褐色の地にオスではオレンジ色の帯が目立ちますが、見る角度によっては紫色に光って見えます。また、メスでは白帯又は黄褐色帯となります。軽快に飛び、とまるときは羽を閉じたり開いたりします。幼虫は、ヤナギ科植物(アカメヤナギ、シダレヤナギ、コリヤナギ、ネコヤナギなど)を食べます。

<名前の由来>
 国蝶オオムラサキよりは小(コ)型で、オスが羽を動かすと、見る角度によって紫(ムラサキ)色に光るので名付けられました。

<備考>
 季節型はありませんが、メスはオスよりやや大きくなります。埼玉県レッドデータブック準絶滅危惧
コムラサキ♂(タテハチョウ科) 2006年9月7日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年9月7日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、木の高いところにとまっていたので、思うように撮影できませんでした。

コムラサキ♂(タテハチョウ科) 2006年9月21日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年9月21日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、比較的木の低いところにとまっていたので、望遠でとらえました。


ゴマダラチョウ(タテハチョウ科)

ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶)
学 名 Hestina japonica
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜3回、5月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)35-50mm
(開張)60-85mm
生育地 低地の雑木林など
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は春から夏にかけて北海道〜九州の低地の雑木林などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黒褐色地に、白斑が目立ち、翅の表側も同様ですが、口吸が鮮やかな黄色なのが特徴です。軽快に滑空するように飛んでいますが、時々羽を休めるので、シャッターチャンスがあります。幼虫は、ニレ科植物(エノキ、エゾエノキ、クワノハエノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 胡麻(ゴマ)のように見える斑(マダラ)模様のある蝶という意味で命名されました。

<備考>
 メスはやや大きく、翅が丸味をおび、色が少し淡くなります。
ゴマダラチョウ(タテハチョウ科) 2006年7月26日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

  2006年7月26日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、葉上や枝に止まっていたところを接写しました。


アカボシゴマダラ(タテハチョウ科)

アカボシゴマダラ(赤星胡麻斑)
学 名 Hestina assimilis assimilis
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜3回、5月〜9月
分 布 関東、山梨、静岡
大きさ (前翅長)40-53mm
(開張)75-95mm
生育地 平地〜低山地の樹林
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は春から秋にかけて関東、山梨県、静岡県の平地〜低山地の樹林で見られるタテハチョウの一種ですが、日本に本来から奄美諸島に生息していたものとは違い、1990年代初めごろに中国大陸から持ち込まれたと思われる外来種です。翅の表裏ともに、黒色地に、白斑が目立ち、口吸が鮮やかな黄色なのが特徴です。春型は白化しますが、夏型には後翅亜外縁に沿って赤斑がみられます。緩やかに飛翔していますが、時々葉上で羽を休めるので、シャッターチャンスがあります。幼虫は、ニレ科植物(エノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 胡麻(ゴマ)のように見える斑(マダラ)模様があり、夏型には後翅亜外縁に沿って赤斑(アカボシ)のある蝶という意味で命名されました。

<備考>
 メスは翅形が幅広くなります。
アカボシゴマダラの春型(タテハチョウ科) 2012年6月10日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影

  2012年6月10日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影しましたが、1頭だけ飛んでいました。

アカボシゴマダラの夏型(タテハチョウ科) 2012年9月7日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影

 2012年9月7日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影しましたが、1頭だけ飛んでいました。

アカボシゴマダラの夏型(タテハチョウ科) 2015年9月28日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影

 2015年9月28日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)で撮影しましたが、葉上に止まっているところを接写しました。


キタテハ(タテハチョウ科)

キタテハ(黄立翅)
学 名 Polygonia c-aureum
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜5回、5月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)22-34mm
(開張)50-62mm
生育地 草地、河川堤防など
<特徴>
 年2〜5回の発生で、成虫は春から秋にかけて、草地、河川堤防などで普通に見られるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は目立たない地味な色をしています。表側は、黄色地に黒い紋がありますが、夏型は地色が黄色っぽく、秋型は地色がオレンジっぽくなります。活発に飛び回っていますが、たまに、地上に静止することがあるので、カメラにも収まってくれます。幼虫は、クワ科のカナムグラを食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、その中でも黄色っぽいので名付けられました。

<備考>
 夏型と秋型があり、秋型は成虫で越冬し、春になると飛び出します。
キタテハ(タテハチョウ科) 2005年5月21日午前に撮影

 2005年5月21日午前に、ハルジョオンにとまっているところを撮影しました。

キタテハ(タテハチョウ科) 2005年5月29日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近の畑地で撮影

 2005年5月29日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近の畑地を飛んでいたのが、羽を休めたところを撮影しました。

キタテハの夏型(タテハチョウ科) 2005年8月14日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影

 2005年8月14日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影しましたが、畑地の中を飛んでいました。

キタテハの秋型(タテハチョウ科) 2005年11月5日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近の畑地で撮影

 2005年11月5日午後に撮影しましたが、「見沼自然の家」(川口市)付近の畑地を飛んでいて、菊の花で吸蜜していました。

キタテハの秋型(タテハチョウ科) 2015年9月28日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)付近で撮影

 2015年9月28日午後に撮影しましたが、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)付近の畑地で吸蜜していたのを接写しました。


ルリタテハ(タテハチョウ科)

ルリタテハ(瑠璃立翅)
学 名 Kaniska canace
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜3回、6月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)25-44mm
(開張)55-65mm
生育地 市街地、山地など
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は初夏から秋まで、市街地から山地まで見ることができるタテハチョウの一種です。翅の裏側は木肌模様で、目立ちませんが、表側は黒地に瑠璃(ルリ)色の帯があり、前翅には白い模様も見られます。とても敏捷に飛びまわり、樹上や路上では羽を開いて休みますが、樹液を吸う時などは、羽を閉じるので目立たなくなります。オスは、占有行動をとることが知られています。幼虫はユリ科植物(サルトリイバラ、ホトトギス、オニユリヤマユリなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、翅の表側に瑠璃(ルリ)色の帯があるので、名付けられました。

<備考>
 季節型は有りませんが、メスがオスよりやや大きいのです。本土亜種と南西諸島亜種があります。成虫で越冬します。
ルリタテハ(タテハチョウ科) 2006年6月27日夕方、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影

 2006年6月6月27日夕方、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、ぐるぐると飛びまわっていました。

ルリタテハ(タテハチョウ科) 2006年8月11日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影

 2006年8月11日昼、見沼代用水東縁付近(川口市)で撮影しましたが、木の枝に止まっているところを接写しました。


アカタテハ(タテハチョウ科)

アカタテハ(赤立翅)
学 名 Vanessa indica
科 名 タテハチョウ科
時 期 年2〜4回、5月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)30-35mm
(開張)60mm前後
生育地 山地から平地の田畑、市街地など
<特徴>
 年2〜4回発生し、成虫は春から晩秋にかけて、日本各地の山地から平地の田畑や市街地などで普通に見られるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は目立たない地味な色をしていますが、表側は、赤褐色地に黒い斑紋があり、前翅には白斑紋も見られます。活発に飛び回っていて、なかなかシャッターを切らせてくれません。オスは、占有行動をとることが知られています。幼虫は、イラクサ科植物(カラムシ、ヤブマオなど)、ニレ科植物(ケヤキ、ハルニレなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、その中でも赤(アカ)色っぽいので、この名前が付きました。

<備考>
 季節型はなく、成虫で越冬します。オスとメスはよく似ていて、識別が難しいのです。
アカタテハ(タテハチョウ科) 2006年7月26日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年7月26日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、翅を閉じたままで、表側は撮影できませんでした。

アカタテハ(タテハチョウ科) 2006年9月11日昼、見沼代用水東縁付近で撮影

 2006年9月11日昼、見沼代用水東縁付近で撮影しましたが、翅を開閉しながら吸蜜していたので、いろいろとシャッターが切れました。

アカタテハ(タテハチョウ科) 2012年10月20日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)周辺で撮影

 2012年10月20日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)周辺で撮影しましたが、花で吸蜜していたので接写できました。


ヒメアカタテハ(タテハチョウ科)

ヒメアカタテハ(姫赤立翅)
学 名 Cynthia cardui
科 名 タテハチョウ科
時 期 多化性、5月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)25-33mm
(開張)55mm前後
生育地 平地から山地の草地、畑地、市街地など
<特徴>
 多化性で、成虫は春から晩秋にかけて、日本各地の平地から山地の草地、畑地、市街地などで普通に見られるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は目立たない地味な色をしていますが、表側は、褐色地に黒い斑紋があり、前翅には白斑紋も見られます。活発に飛び回っていますが、時々、花や地上に静止することがあるので、結構シャッターも切らせてくれます。オスは、占有行動をとることが知られています。幼虫は、キク科植物( ヨモギ、ハハコグサ、ゴボウなど)、オオバコ科植物(オオバコ)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、その中でも赤(アカ)色っぽく、アカタテハに比べて、やや小さく愛らしいので姫(ヒメ)が付きました。

<備考>
 暖地では、成虫でも越冬するので早春に見られることもあります。季節型はなく、オスとメスはよく似ていて、識別が難しいのです。
ヒメアカタテハ(タテハチョウ科) 2005年11月5日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近の畑地で撮影

 2005年11月5日午後に撮影しましたが、「見沼自然の家」(川口市)付近の畑地を飛んでいて、菊の花で吸蜜していました。

ヒメアカタテハ(タテハチョウ科) 2012年10月20日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)周辺で撮影

 2012年10月20日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)周辺で撮影しましたが、地表に止まったところでシャッターを切りました。

ヒメアカタテハ(タテハチョウ科) 2015年9月28日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)周辺で撮影

 2015年9月28日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)周辺で撮影しましたが、花で吸蜜していたところを接写しました。

ヒメアカタテハ(タテハチョウ科) 2016年10月2日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)付近で撮影

 2016年10月2日午後、「見沼自然公園」(さいたま市緑区)付近の畑地で撮影しましたが、花で吸蜜していたところを接写しました。

ダイミョウセセリ(セセリチョウ科)

ダイミョウセセリ
(大名せせり)
学 名 Daimio tethys
科 名 セセリチョウ科
時 期 年2〜3回、5月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)15-21mm
(開張)32-36mm  
生育地 山地から平地にある雑木林の林縁
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は春から初秋まで、北海道〜九州の山地から平地にある雑木林の林縁で見られるセセリチョウの仲間ですが、関東地方では年3回の発生となります。翅の表側は黒っぽく、前翅に大きな白斑が目立ち、後翅に白帯がはっきり現れるのが「関西型」、不明瞭なのが「関東型」とされています。翅の裏側もほぼ同様ですが、だいたい羽を開いてとまるので、裏側を撮影するのはなかなか難しいのです。また、結構敏捷に飛んでいます。幼虫は、ヤマイモ科植物(ヤマノイモ、トコロ、ツクネイモニガガショウ、ヒメドコロなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、江戸時代の大名(ダイミョウ)家の羽織袴の紋所を連想させることから名付けられたとか...。

<備考>
 季節型はありません。
ダイミョウセセリ(セセリチョウ科) 2006年6月23日昼、見沼代用水東縁付近(さいたま市緑区)で撮影

 2006年6月23日昼、見沼代用水東縁付近(さいたま市緑区)で撮影しましたが、後翅の白帯が不明瞭な「関東型」です。

ダイミョウセセリ(セセリチョウ科) 2014年5月4日午後、「見沼自然公園」(さいたま市見沼区)で撮影

 2014年5月4日午後、「見沼自然公園」(さいたま市見沼区)で翅を休めているところを撮影しました。

ギンイチモンジセセリ(セセリチョウ科)

ギンイチモンジセセリ
(銀一文字せせり)
学 名 Leptalina unicolor
科 名 セセリチョウ科
時 期 年2〜3回、4月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)13-21mm
(開張)26-32mm  
生育地 草原、草地
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は春から夏まで、平地から山地の草原や草地で見られるセセリチョウの仲間ですが、山地や寒冷地では年1回の発生となります。翅の表側は黒っぽく、裏側は、前翅では黒褐色から黄褐色、後翅では、黄褐色に白銀色の帯があります。また、ゆるやかにひらひらと飛ぶのが特徴です。幼虫は、イネ科植物(ススキ、エノコログサ、チガヤ、ヨシなど)を食べます。
ギンイチモンジセセリの春型(セセリチョウ科) 2006年4月22日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2006年4月22日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しましたが、草地を緩やかに飛んでいました。


キマダラセセリ(セセリチョウ科)

キマダラセセリ
(黄斑せせり)
学 名 Potanthus flavus
科 名 セセリチョウ科
時 期 年2回、6月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)13-17mm
(開張)30-34mm  
生育地 河川、雑木林など
<特徴>
 年2回の発生で、成虫は初夏から初秋まで、河川や雑木林などで見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は黄褐色と山吹色のまだら模様が目立ちます。表側は、褐色の地色に山吹色の帯が見られます。ジェット戦闘機のように敏速に飛ぶので、なかなかカメラに収まってはくれません。幼虫は、イネ科植物(ススキ、ジュズダマ、アズマネザサ、ミヤコザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、黄色地に黒っぽい斑模様が見られるところから名付けられました。

<備考>
 春型は、夏型に比べて大きくなります。
キマダラセセリ(セセリチョウ科) 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年6月19日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近の樹林の中で、小休止しているところを撮りました。

キマダラセセリ(せせりちょう科) 2006年6月7日夕方、見沼代用水東縁付近(さいたま市緑区)で撮影

 2006年6月7日夕方、見沼代用水東縁付近(さいたま市緑区)で陽が落ちかけているときに撮影しました。


イチモンジセセリ(セセリチョウ科)

イチモンジセセリ
(一文字せせり)
学 名 Parnara guttata
科 名 セセリチョウ科
時 期 年2〜3回、6月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)15-21mm
(開張)35mm前後
生育地 市街地、山地
<特徴>
 年2〜3回の発生で、成虫は初夏から秋まで、市街地や草原、山地などいたる所で普通に見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に白銀の斑点が見られますが、特に後翅の白銀模様が一列になった、一文字模様を見せるのが特徴です。表側は裏側より濃い茶色の地色に白銀模様が見られます。一見ガの仲間と見間違えやすく、集団で移動することが知られています。幼虫は、イネ科、カヤツリグサ科の各種を食べますが、特にイネに有害で、駆除の対象とされています。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、後羽の白色の斑紋が一列(一文字)に並んでいるところから名付けられました。

<備考>
 季節型は有りません。幼虫は、別名:イネツトムシとも呼ばれています。
イチモンジセセリ(セセリチョウ科) 2003年7月12日昼、芝川沿いの畑地(川口市)で撮影

 2003年7月12日昼、芝川沿いの畑地(川口市)で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

イチモンジセセリ(セセリチョウ科) 2005年8月14日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影

 2005年8月14日午前、「さぎ山記念公園」(さいたま市緑区)付近で撮影しました。

イチモンジセセリ(セセリチョウ科) 2005年10月1日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年10月1日午後、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しました。


チャバネセセリ(セセリチョウ科)

チャバネセセリ(茶羽せせり)
学 名 Pelopidas mathias
科 名 セセリチョウ科
時 期 年3回、5月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)13-21mm
(開張)30〜40mm  
生育地 河川堤防、公園、草地など
<特徴>
 年3回の発生で、成虫は春から秋まで、関東以西の河川堤防、公園、草地などで普通に見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は黄褐色の地色に白色の小斑点が見られますが、はっきりしない場合があります。表側は、茶褐色の地色に白斑が見られますが、前翅ではやや大きめです。幼虫は、イネ科植物(チガヤ、ススキなど)、カヤツリグサ科植物を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中では茶色っぽい羽に見えることから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。
チャバネセセリ(セセリチョウ科) 2005年8月28日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影

 2005年8月28日午前、「見沼自然の家」(川口市)付近で撮影しました。

チャバネセセリ(セセリチョウ科) 2006年8月29日朝、芝川の土手(川口市)で撮影

 2006年8月29日朝、芝川の土手(川口市)で撮影しましたが、アカツメクサの花で吸蜜しているところを接写しました。

チャバネセセリ(セセリチョウ科) 2006年9月21日昼、見沼代用水東縁付近(さいたま市緑区)で撮影

 2006年9月21日昼、見沼代用水東縁付近(さいたま市緑区)で撮影しましたが、葉上に止まっていたのを接写しました。


ミヤマチャバネセセリ(セセリチョウ科)

ミヤマチャバネセセリ
(深山茶羽せせり)
学 名 Pelopidas jansonis
科 名 セセリチョウ科
時 期 普通年2回、4月〜10月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)16-22mm
(開張)30-40mm  
生育地 河川周辺、草地など
<特徴>
 普通年2回の発生で、成虫は春から秋まで、本州から九州のやや山地性の河川周辺、草地などで見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は黄褐色の地色に、後翅にはジグザクになった白色の小斑列と中ほどにはっきりした白斑が一つ見られます。表側は、茶褐色の地色に白斑が見られますが、前翅ではやや大きく連なり、後翅にはハの字型に現れますが、はっきりしない場合もあります。ものすごいスピードで飛んでいくので、追いかけるのはほとんど不可能です。幼虫は、イネ科植物(チガヤ、オオアブラススキ、ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中ではやや山地性(ミヤマ)で、茶色っぽい羽(チャバネ)に見えることから名付けられました。

<備考>
 季節型はありませんが、第1化はやや小型です。
ミヤマチャバネセセリ(セセリチョウ科) 2006年8月29日朝、芝川の土手(川口市)で撮影

 2006年8月29日朝、芝川の土手(川口市)で撮影しました。

ミヤマチャバネセセリ(セセリチョウ科) 2006年9月2日朝、芝川沿い(川口市)で撮影

 2006年9月2日朝、芝川沿い(川口市)で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

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